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白川 勝彦

7   「いまや自民党は瓦解寸前の城である」

1文字アキこれまでの説明で、難攻不落の城に見えた自民党も、実は瓦解寸前の城であるということがおわかりいただけたと思います。だからそんな自民党を倒すことなど、実は造作もないことなのです。

1文字アキところが、公明党などは、KSD疑惑が発覚したりしても、「自民党の自浄能力に期待する」と言っています。しかし、もはやそんな段階ではありません。自浄能力というのは、基本的には健康体であるときに使う言葉であって、死にかけている者には、もともと自浄能力など無理なことなのです。

1文字アキ一方、自民党はというと、「解党的出直し」という言葉を、いまだに性懲りもなく使っています。これまで何度この言葉を聞いたことでしょうか。
1文字アキ私が1979年に初当選して以来、ロッキード事件やリクルート事件など、不祥事が発覚するたびに、自民党は「解党的出直し」と言ってきました。しかし、ただの一度も解党的出直しをしたことなどないのです。仮に、実行するとしても、自民党はいったい何を原理・原則にして出直そうというのでしょうか?
1文字アキ理念のない空っぽの自民党に、解党的出直しなどできるはずがないのです。

1文字アキそれから、私が自民党を倒すことは簡単だと言う理由の一つに、自民党の人材難が挙げられます。これについては、私のWebサイトの掲示板に投稿してくれた21歳の学生の「粛正の悲劇」と題する書き込みが、実に見事にそのことを指摘していますので、少し長いですが、そのまま引用します。

1文字アキ「私は21歳の学生です。今の自民党の後継争いを見て、私が感じたことを述べます。自民党に色々な派閥があり、主流派と非主流派が入り乱れることは、自民党だけで政権を担うことを可能としたように思います。いうなれば、主流派が前政権の罪を全て負って退場し、非主流派が政権を受け継ぐことによって、自民党の中だけで政権をたらい回しにすることが出来たのではないでしょうか。
1文字アキたとえば今、もしかつてのままの加藤氏が政権の座についたならば、これまで自民党に背を向けている大多数の保守派層・無党派層は一気に戻ってきたでしょう。しかし、今の自民党は非主流派がほぼ皆無。総主流派であり、言うなれば誰もみな森政権の責任者。誰が後継者となろうが、所詮、今の自民党の中には前政権の罪をぬぐうことができる人は誰もいません。人々が新しいものを求める時、もはや自民党の中に人を求めることはないでしょう。加藤政局とその後の粛清は、自民党自身が浄化作用を失ったことを彼ら自身が証明したことなのです。
1文字アキ反対派は例え邪魔でも、絶対に一掃してはいけません。二つの勢力がお互いに刺激し合うことによって社会は活性化するものなのです。独裁では、社会は停滞します。短い目で見れば、加藤政局で野中氏は圧勝したように見えますが、実は自分で自分の首を締め、自民党そのものを滅ぼすことになる亡党の徒以外の何者でもありません。

1文字アキ《中略》

1文字アキ自民党が勝つ小手先の方法は、6月あたりにあっ!というような無名の新人を傀儡として擁立することです。リクルート事件後に無名の海部氏を擁立して議席を回復したように、国民向けの傀儡政権をつくり、国民がそれに戸惑っている最中に選挙が行われれば、議席の減少は最小限に食い止められるでしょう。
1文字アキただ連中が政治の安定という名目で権力にしがみつくその見苦しい行為は、社会を停滞させるもの以外の何者でもありません。森氏にすべての罪をなすりつけようとしていますが、私達は連中をも地獄に叩き落さなければならないと思います」

1文字アキこの学生の書き込みを政治記者にみせたところ、「まいった」と言っていました。いまどきの若い者もちゃんとしているじゃありませんか。

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