1 「自民党は実体のない、もろい存在である」 私は常々、今こそ平成革命が必要だと言っています。その平成革命で、倒すべき相手は自民党であり、自公保体制であることは言うまでもありません。 ただ、皆さんの中には、「自民党というのは、なんだかんだと言ってもそれなりの政党だ」と思っている人も多いのではないでしょうか。だから、「そんな自民党を倒すことなんて本当にできるのか?」、「自民党はそう簡単には倒れないのではないか?」という考えに至るのでしょう。無理もないことだと思います。 しかし、実は全く違うのです。 私はかつて自民党の中で、とりわけ初めての小選挙区制の下における衆議院選挙で、選挙実務の総責任者を務めました。だから、自民党の舞台裏を含めて全部知っています。そのときの経験から言うと、自民党というのは、実は組織政党としてはほとんど実体のないもろい存在なのです。 ところが、こういうことは誰も知りません。むしろ、冒頭で書いたように、多くの人は自民党はしっかりとした基盤を持った組織政党だと思い込んでいます。そこが自民党の最大の強さであり、虚像なのです。 私に言わせれば、自民党はまさに“張子の虎”です。見かけだけで、中身がないのです。このことに気づけば、こんな政党を政権の座から引きずり降ろすことなど、いとも簡単なことなのです。そして、政権党でなくなれば、自民党など数年を待たずして雲散霧消してしまうことでしょう。 私は、ここで変な内幕暴露的な自民党ものを書くつもりは全くありません。また、そんな必要もありません。事実に即して、誰もが知っていることを少し深く分析すれば、自民党が張子の虎であることは自明の理だからです。 本来であれば、政治評論家や政治学者が、私がこれから書こうとしているようなことを明らかにすべきなのですが、残念ながら日本の社会科学や人文科学は底が浅いために、こんな簡単なことを見逃してきたのです。私がこれから一つひとつ自民党の虚像を暴いていきたいと思います。 ●自民党が政権を担っていたから日本が繁栄したというウソ まず、よく言われるのが、「戦後の日本がこんなに繁栄することができたのは、自民党が政権を担ってきたからだ」ということです。 日本は戦後、世界に類を見ない発展を遂げました。これはまさに一つの奇跡です。しかし、それが自民党のおかげだったのかというと、決してそうではありません。 もちろん、自由主義陣営に属したことだけが、戦後の日本の繁栄の原因だったと言うつもりはありません。皮肉にも自由主義陣営に属しながら、官僚主導による極めて非自由主義的な手法を採ってきたことが、日本の成功の大きな原因だったといえるでしょう。 このやり方は原理原則から言うと、明らかに矛盾です。なにしろ自由主義社会の中で全体主義的なことをやってきたわけですから……。 しかしながら、それはあくまで一時的な勝利であって、それでは決して永続的な勝利を続けることはできないのです。それを証明したのが、皮肉なことにバブル崩壊後の日本でした。 |
白川勝彦OFFICE
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