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No.74 | No.75

8月2日(水)

No.75透明スペーサー

炎天下に思うこと

1

透明スペーサーいよいよ8月になりました。なんでいよいよかですって?やっぱり夏は昔から8月に決まっているんですよ。だって私の子供のころは、8月1日から夏休みでした。それにしても、いい天気が続いております。しかし、毎朝テレビを見ていると今日は30何度だと大騒ぎをしています。どうして真夏になるといい天気が続くのに、あたかも困ったようないいかたをするのでしょうか。

透明スペーサー確かに暑いです。こんなときに背広を着て、ネクタイをつけていなければならない人は可愛そうです。私のこんなことをずいぶん長いこと続けてきました。強くクーラーのきいたところでなければとてもつとまりません。事実都会のビルではクーラーをがんがん効かせています。そうすると、今度は背広にネクタイでない人には寒過ぎてしようがありません。女性の方などクーラー病にかかるといいますが、分かります。

透明スペーサー一歩街に出てみると、これまた本当に暑いです。背広を片手にもって、ハンカチで汗を拭きふき歩いている人、それを見ているだけでもこっちも暑くなってしまいます。それに比べると女性の服装は概して涼しそうです。私などからみるとすけすけのネグリジェのような感じのする若い人の服装など、けっこう真夏には涼しいとはいえないまでも暑さをしのぐには結構なのではないかと思います。また、それぞれのビルから噴出しているクーラーの熱い排気がたまりません。これには、むっときます。

透明スペーサーまあ、それにしても人間だけでなく、動物までもグッタリしているような気がします。犬などは、もう参ったという感じで犬小屋ーーいまはこんな言い方をもうしないんでしょうんね・・・・英語でいうとケンネルーーの前で生きているのか死んでいるのかわからないような様子です。炎天下にに元気なのは蝉くらいなものです。いよいよ蝉の声がにぎやかに聞こえるようになりました。

透明スペーサーしかし、この暑い夏にひとり気をはいているものがあるんです。そうです、それは植物です。暑いとも寒いとも何にもいいませんが、この暑さーー炎天下のもとで植物は光合成によって炭水化物を作っているのです。これを動物が食して命を保ち、肉食動物もそうやっていきている動物を食して命を保つことができるのです。

透明スペーサーだから、夏もいい天気が続かないと困るのです。夏にいい天気がつづくと当然のことながら暑いーーときには猛暑になるわけですが、このいい天気が万物に対する天の恵みなのです。そう思うと、そんなに暑い、暑いとばかりいっていられないのではないでしょうか。この罰当たりがということになります。 こんな理屈が分かっていた訳ではありませんが、私は昔から四季のうちで夏がいちばん好きでした。

2

透明スペーサー私は、数回前の永田町徒然草にこの夏は太陽のもとで思いきり体を鍛えたいと書きました。そして、現に実行しています。私は、この炎天下をあえて狙って散歩ーーウォーキングにでるようにしています。もう、10数回はやりました。できれば毎日でもやりたいと思います。暑くて暑くてしょうがないというときでも、覚悟を決めてランニングと半パンで炎天下のウォーキングにでると意外にそんなに暑くはないものです。

透明スペーサー外はけっこう風もありますし、日蔭もあります。こっちは、もともと半分修行としてやるつもりなのですから、もうどうしょうもなく暑くてもしょうがない、そのなかで汗をダラダラと流したいと思っているのですが、意外にこっちの期待するようにはならないものです。1時間くらい炎天下の散歩を楽しむわけですが非常にいいものです。私の散歩コースは、車の通りの少ない住宅街です。汗をかきながらえんえんと歩きます。そして、一軒一軒の玄関や庭の植栽を見ながら歩きます。最近ではヨーロッパのように道に向けて花の植込みを窓や塀に飾った家もあるようになり、とっても楽しいものです。

透明スペーサー最近、ストーカーだとか何かで変な格好をしたおじさんが夕方とか夜にこのような住宅街を歩いていたんでは警察に通報されかねませんが、これが真昼間でしたらそんな心配は皆無であります。そういう気軽さもあります。それに、真昼間って意外に人がいないんです。

透明スペーサーいずれにしろ、この散歩を終えて、シャワーを浴びて体重計にのるとやく1キロ半体重は減っています。なんだか急に体が軽くなった感じがします。そして、これを終えると暑いという感じがまったくなくなります。もう、クーラーの効いた部屋などにはとっても入る気はしません。これが、私の夏の健康法であり、暑さ対策です。どうです、なかなかのもんでしょう。あなたも一度試して見てはどうですか。

3

透明スペーサー私は、いわゆる原理原則を書くものですから実は同じことの繰り返しが多くなります。また、原理原則ですからそんなに多くあるわけではありません。ですから、いわゆる固いことに言及すると、ああまたかという感じがすると思います。ですから、これからは今日のように固いことだけじゃなくて、そうでないこともつれづれに書いてみようと思います。どうか、ご笑読いただければ幸いです。

16:30         炎天下の散歩の後に

名前「白川勝彦」毛筆体画像透明スペーサー


7月26日(水)

No.74透明スペーサー

なぜ、景気は回復しないのか

透明スペーサーこの十年間くらい選挙や政治のアンケートの際、期待するものがいちばん多いのは景気の回復という項目です。バブルの崩壊から日本経済はなかなか立ち直れない中、これは当然といえば当然のことかもしれません。しかし、景気の回復を政治に期待するという一見当然のように思われる期待・要望ですが、政府に対して一時的に短期即効的な経済対策を期待することはあっても、こんなに長い間景気の回復を期待・要望するということはもう政治的期待というより願望に過ぎないのではないだろうか。景気の回復という期待・要望は、具体的にはいったい何をしてほしいということなんでしょうか。そこを詰めないとこの期待・要望は、ほとんど意味のない願望でしかありません。

透明スペーサー政府・与党の経済対策は、例によって公共事業一辺倒です。さすが、これに対してはどうだろうかという雰囲気が景気回復を期待・要望する側からもでてきています。一時は規制緩和というのが、経済対策のいちばんの要望でしたが一時ほどの熱がなくなったような気がします。それでは、景気回復のために国民はいったい政府に何をせよといっているのでしょうか。詰めてくると意外に中味はないんです。それでも国民は景気回復を要望し、政府はこれに応えるという漫画みたいなことが繰り返されております。この主役が、亀井政調会長と宮沢大蔵大臣。スポークスマンが、堺屋経済企画庁長官という役回りでしょうか。一時は、多少面白い漫画で多少は国民もその気になりましたが、最近ではもう結構ですという感じなんじゃないんでしょうか。

透明スペーサーそもそも、自由主義経済体制のもとで政府ができる景気対策策というものは非常に限られているというのが大原則です。もちろんそういう機能や能力が全然ないというわけではありませんが、それは一時的・限定的なものというのが一般的な見解です。そして、政府がそのような機能や役割を果たせるために財政にゆとりをもち、必要な時に機動的の出動するようにしておく、それが健全財政の必要性の一つとされています。バブルの崩壊まではこのことが当然のこととされていましたが、もう大蔵省自身がとうにこの大原則を捨て去っています。肥大化した財政赤字は、今後日本経済の大きな重荷にさえなってくるのではないかと懸念されています。

透明スペーサーなぜ、このような状態になってしまったのか。それは原理原則というものを簡単に捨て去ってしまったからです。こういう体質がもたらした当然の結果であります。私は教条主義者ではありません。自由人ですからそういう人の対極にいますが、原理原則というものにはこだわる方です。この点では頑固な方といっていいでしょう。自由主義の世界で原理原則といわれているものは、誰かが考えたドグマではなく長年の経験や歴史のなかで確立されたものだからです。いうならば、人類の知恵なのであります。これを無視することは愚かなことです。私は、これを無視するほど愚かではないし、自分がこれを超えるほどの知恵をもっていると自惚れてはいないからです。

透明スペーサー私たちが、ギリギリのところで考えたのが、平成9年の財政再建会議でした。橋本内閣のときです。この会議に私は自治大臣として最後まで参加しました。そして、財政再建策を決定しました。冷静になって考えてみれば、この会議で決定された財政再建策などというものはそれほど厳しいものではなかったと思います。バブル崩壊後、ユルユルになってしまった行政・財政を本来の姿に戻すというものに過ぎませんでした。私は、国の財政の半分に相当する地方財政をあずかるものとして、このくらいのことはできるし絶対にやれると思いました。この会議に、宮沢大蔵大臣は総理経験者として参加していました。そして、この会議で決まったことには賛成だったはずです。亀井政調会長は当時建設大臣でした。彼は、この会議で財政再建策――とりわけ公共事業削減には反対という立場でした。

透明スペーサー一方、私たちが決定した財政再建策に対して、当時の野党第一党であった新進党は反対でした。民主党がどういう評価をしたかはちょっと記憶にありません。共産党が反対だったことはいうまでもありません。新進党の反対の理由は、日本経済に冷や水をぶっかけることになり自律的な景気回復のさまたげになるというものでした。そして、翌平成10年の参議院選挙で自由民主党が破れ、橋本首相は退陣しました。敗北の大きな理由としてこの財政再建路線が挙げられ、後継の小渕内閣では二兎は追わないということで財政再建策は完全に放擲されました。
小渕内閣の大蔵大臣は、宮沢さんでした。

透明スペーサーわが国の景気回復のために、財政出動を期待するということは小渕内閣の時点では、もうどだい無理だったのです。財政がそれをするだけの能力がなくなっていたのです。にもかかわらず小渕内閣は、後先も考えず財政出動路線をひた走りました。
そして、もともと財政再建策に反対であった新進党のなかにいた、小沢党首が率いる自由党と連立を組み、その後公明党とも連立を組んだのですから、財政再建など一顧だにされなくなるのはあたりまえです。重要なことを忘れました。平成11年の10月から公共事業万能派の亀井氏が自由民主党の政調会長に就任しています。小渕首相がなくなっても、この布陣ではこれからもイケイケドンドンであることは間違いないでしょう。

透明スペーサー原理原則を忘れるな。原理原則を無視して一時的にいいことがあってもそんなものは徒花(あだばな)に過ぎない。いつも私はこう思っています。また、そう信じなければ、辛くとも苦しくとも原理原則に忠実に生きようということはできません。わが国の景気回復―経済再建いや経済新生のためにしなければならないことは、これまでの日本経済の成長のために障害となっていたものを取り払うことです。日本経済の自由化を苦しくとも辛くとも果敢に実行していくしか道はないのです。自由化ということは、いいことばかりではありません。痛みも伴います。もし、財政出動をするならば、そういうことに思いきった予算を付けるべきなのです。同じ借金であってもそれは前向きな借金です。

透明スペーサー自公連立という、自由民主党にとって原理原則を忘れたことを平気で行う政治家、これに異議を唱えない政治家を私は信用する気はまったくありません。しょせん、一事が万事なのです。政治的自由を熱烈に希望しないものが、どうして経済的自由のために体を張って戦うのでしょうか。私は経済のことはあまり詳しくありませんが、わが国の経済を立ち直らせるためには、政治・経済・社会のあらゆる分野で真の自由化を果敢に進めること以外にない、という確信をもっています。混乱も一時的には生じるでしょう。しかし、「混乱を通じて調和」なんです。人為的に作られる調和などというものは、実はたいした調和ではないのです。それが、自由主義哲学のいちばん大事なところなのです。

03:15         上越市北城の自宅にて

名前「白川勝彦」毛筆体画像透明スペーサー

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