おかしなNHKの『日曜討論』
08年05月25日
No.818
今日は久しぶりに日曜定番の政治番組をじっくりとみている。いま観ているのはNHKの『日曜討論』である。私は後期高齢者医療制度の勉強をあまりしていないので、詳しいことは分からない。大いに議論して国民の納得がいくような制度を作る必要がある。そのためには公平な質の高い議論を尽くすことがまず大切である。そのことに関していうと、今日の『日曜討論』はおかしい。
政府与党側の言い分をいうために舛添厚労大臣と自民党丹羽議員と公明党福島議員の3人が出席している。野党からは民主党、共産党、社民党、国民新党の4人が出席している。議論を深めるためにはあまり大人数ではできない。昔は大臣が出席する場合は、大臣が政府与党を代表してすべて発言をしたものである。最近では大臣と与党議員が一緒に出席する例も多くなってきた。本当にこれは正しいのだろうか。
現在問題になっている後期高齢者医療制度は、すでに実行されている制度である。これを決めたのは与党である。これを執行しているのが厚生労働省であり、その代表者が厚生労働大臣なのである。大臣はすべての問題についてその責任を負っているのである。それなのになぜ法案を決めた与党議員を同席させるのだろうか。“裁判官は弁明せず”という格言がある。法律を決めた国会議員にもその覚悟は必要なのではないか。
今回の制度を決めた法律を自民党・公明党は強行採決した。強行採決をした自民党や公明党がいま必死に弁明している。私にいわせれば、見苦しいの一語である。政権与党としての風格など微塵も感じられない。そんな自民党や公明党がこれまでのどの時期よりも政権党面をしているのだからやり切れない。その最たるものが衆議院の3分の2による再可決の連発である。国民の3分の2の意思をないがしろにして自公“合体”政権は何でも行う決意のようだ。こんな政権は1日の早く葬らなければならない。
NHKは今日の『日曜討論』の出演者について、問題がないのだろうかと検討したのだろうか。野党は今日のような与党側の出演者で差し支えないと思ったのだろうか。私ならばクレームをつけたと思う。公正な議論を尽くすためには、議論の場が公平でなければならない。そのことをまず確保することが重要なのである。NHKの番組について、野党はこのようなことを主張しても良いのだ。それが“皆様のNHK”のNHKたる所以だ。視聴者もこういうことにクレームをつけてもよいのだ。マスコミの公平を確保させるために国民はもっと努力しなければならない。
それでは、また。