先の戦争に対する天皇家の深い思い & 譲位問題について
16年10月29日
No.1873
「偽りを述べる者が愛国者とたたえられ、真実を語る者が売国奴と罵 られた世の中を、私は経験してきた。」
これは、去る10月27日100歳で
昭和天皇の弟君である高松宮様が、自らのご著書で太平洋戦争や当時の軍の実情を批判的に述べられていることに、私は注目する。これは、ひとり高松宮様の思いだけでないのではないか。天皇家全体が抱く、先の戦争に対する思いなのではないだろうか。今上天皇が、先の戦争に対する深い反省を述べられ、かつ戦没者の慰霊に努めておられるのも、こうした思いに基づくものと、私はいつも敬意を禁じ得ない。
天皇の譲位に関する“有識者会議”なるものが発足した。その顔ぶれやヒヤリング対象者などを見るにつけ、どうも安倍首相がおかしなことを画策しているように思えて、仕方ない。どう考えても、法改正か法制定が必要なことは疑いない。その場合、全党一致で行うのが、いちばん大切である。そうだとしたならば、有識者会議も大事だが、早くから各政党から代表を選んでもらって、協議を始めることが重要である。この問題は、全党賛成で法改正などを行う必要がある。それが、今上天皇のお気持ちであろう。
世界中で、いろいろなことが起こっている。私が今いちばん知りたいのは、イラクのモスルがどうなっているのか、だ。イラク政府や有志国連合側の情報はあるが、その反対側の情報は皆無に等しい。シリアのアレッポなどの情報も、私は知りたい。戦闘は現実に行われおり、毎日多数の死傷者が出ているのだ。これはもう、戦争である。戦争の全貌は、やはり両面から見なければ本質を見誤る。ベトナム戦争の時は、ベトナム側のそれでも、かなり情報が入ってきた。
テレビでは連日のように、小池東京都知事に関することが流されている。私にしてみれば、どうでもいいことばかりである。それは、前号の永田町徒然草で述べた通りだ。それより、世界は間違いなく、大きく変化しつつある。そして、その原因には、文明史的なものがある。それだけに、私たちは幅広い観点から、いろいろと学ばなければならない。読書の秋である。私も、いろいろな本を買ってきて、少し勉強しようと思っている。
それでは、また。