不遜で不快な発言
08年12月11日
No.1017
確か昨日の夜(あるいは午前だったかもしれない)のNHKニュースだった。アメリカのシーファー駐日大使が「日本がアメリカの新政権に親近感をもって対応してもらいたいなら、アフガン問題にもっと積極的に関与してもらいたい」との趣旨の発言をしているのを見た。それは在京駐日大使の会合だった。非常に不遜な発言ではないか。気分が悪くなる発言だった。
重要な発言なので現物(テキスト)を確認した上でこの永田町徒然草を書こうと思いながら、今朝のニュース報道番組を見た。しかし、どの局でもやっていなかった。新聞ならば現発言が載っているかもしれないと思い、朝刊が来るのを待っていた。わが家は『朝日新聞』と『讀賣新聞』しかとっていないが、両紙にその記事はなかった。本誌に載っていないのだからいつも引用させてもらっているasahi.comにもその記事はなかった。
昨日、参議院予算委員会がNHKで中継されていた。なんでいまごろ参議院予算委員会の中継なのだろうかと思ったが、インド洋給油法案の採決の条件として行われたのだろう。参議院で採決されれば、自公“合体”政権は間もなく衆議院で再可決する。インド洋における給油法案に国民の多くは反対している。その中での再可決なのだ。「インド洋における給油だけでは十分でない。アフガンの地における戦闘行動により積極的に関与してもらいたい」というのがシーファー発言の真意なのである。
オバマ次期大統領は「イラクからは撤退するが、アフガンには戦力を増強する」と言っている。オバマ政権の命取りになるのではないか、と私は大統領選の時から危惧していた。もう一度、原点に戻って“アフガン戦争とは何なのか”考えた方が良い。アメリカには哲学的・論理的な思想大系と言われている。アメリカの哲学は、行動哲学(プラグマテイズム)などと呼ばれていた。そんなことから私は学生時代からアメリカの学者の思想・哲学にあまり関心が持てなかった。
オバマ氏の“思想”はそんなに深淵でないのかもしれない。意外に底が浅いのかもしれない。誰でも神格化することは危険である。本人のタメにもならない。シーファー駐日大使を任命したのはブッシュ大統領であった。オバマ次期大統領が日米関係を本当に重要と考えるならば、この大使は1日も早く交代したほうが良い。
それでは、また。