アメリカ社会のダイナミズム
08年02月06日
No.700
日本とアメリカの時差をこんなに感じたことはあまりなかった。今日は朝からテレビを何度もみているのだが、大統領予備選の結果はなかなか入ってこない。現在(午後4時半)においても多くの代議員数をもっているカリフォルニア州で開票作業が行われており、最終的な結果はまだ判らない。
共和党ではマケイン氏が一歩抜け出したようであるが、ロムニー以下などの候補はこれからも選挙戦を続けるというので、指名獲得選挙はまだまだ続くようである。民主党の方は、クリントン女史とオバマ氏が互角の戦いを展開しているので、最終的な決着はまだまだ先になりそうだ。実際に大統領選挙が行われるのは11月なのであるから、そもそもそんなに急ぐ必要はないのかもしれない(笑)。
アメリカの大統領が誰になろうが関係ないという覚めた見かたをする人も多い。しかし、私はそうは思っていない。なんだかんだといってもアメリカは超大国である。特にアメリカの軍事力は他を圧倒している。このアメリカの軍事力の“お行儀”が悪いと世界中が迷惑する。ブッシュ大統領の下で、アフガニスタンもイラクも大変なことになった。多くの人々が戦争のために殺された。世界中の国々も振り回された。アメリカの大統領がジョージ・ブッシュでなければ、事態は別の展開をしたであろう。
自公“合体”政権は万事においてアメリカ従属である。わが国の外交的パフォーマンスは、ブッシュ政権に完全に追随した。そのためにわが国の尊厳と信用は大きく損なわれてきた。もちろんこれを改めるのは、わが国独自の力でしなければならないことのであるが、それをすぐに期待することもできない。悪い友達、悪いパートナーは持たないことに越したことはない。
アメリカという国・社会は、それ自身がひとつの国際社会なのである。これは私の昔からのひとつの見かたなのである。アメリカの大統領が女性にやったり、黒人系になるということは、アメリカの社会にそれを支持する変化があるという証左なのである。それは世界的潮流の反映であり、実際にそのような大統領が誕生すれば、世界の潮流の変化を加速させる。アメリカ社会がもっているこのダイナミズムを私たちは見逃してはならない。
それでは、また。