ガソリン25円など、小さな問題!?
08年02月10日
No.704
予想では東京でもかなり雪が降るといわれていた。昨晩から雪が降り始めたが、かなり水っぽい雪であった。夜半にはもう雪は止んでいた。私が住んでいる青山辺りでは、道の片隅に雪は少し残っていたが、渋谷に出かけると雪の跡形はまったく見られなかった。ちょっと離れているだけなのだが、多くの人が行き交う渋谷は、気温が少し高いのであろう。
今日は日曜定番の政治番組を少ししか観れなかった。午前10時に人と会う約束をしていたからだ。フジテレビの『報道2001』には、自民党税制調査会小委員長の与謝野馨氏と民主党税制調査会会長の藤井裕久氏が出演していた。最初の15分くらいだけ観た。かなり大雑把などうでもよい話をしていた。コロンビア大学のジェラルド・カーチス教授は今回の来日でガソリン税についてはじめて本格的な議論を聴いたといっていた。コメンテーターの竹村健一氏はこういう議論を聴けば国民はよく分かるといっていた。ガソリンを25円下げるという議論は愚劣だといいたいのであろう。
道路特定財源の暫定税率の期限が切れるのは、ガソリン税だけではない。この3月31日に自動車重量税、自動車取得税、軽油引取税の暫定税率の期限もきれるのである(軽油引取税だけは4月30日である)。これらの暫定税率分の税収は、平成19年度予算で2兆9222億円である。約3兆円である。しかもこの税源はきわめて偏重している。所得が少ない地方、それも特に公共交通手段が少ない町村部に偏在しているのである。きわめて大雑把な計算であるが、町村部の人々にとってはひとり約10万円近くの負担が軽減されるのである(※1兆円の税金は国民1人当たり約1万円である)。
町村部、もっと率直にいうと過疎地の人々にとっては、年間10万円の負担はきわめて重い。私のかつての選挙区である新潟6区は、こういう地域であった。道路特定財源の暫定税率の廃止は地方の人々の悲鳴なのである。この税負担感が理解できないようでは、政治を語る資格はない。参議院選挙で与党が敗北したために、暫定税率を廃止する機会がようやく到来したのである。しかし、自公“合体”政権はさらに10年間延長しようとしている。最後は衆議院で3分の2条項を使って強行しようとしているのである。どうしてこれが小さい問題なのか。私は、これを大した問題ではないという人たちの気持ちが分からない。
私が道路特定財源の一般財源化に反対するひとつの理由はここにある。道路特定財源を一般財源にして環境税(仮称)に充てるという構想を例に挙げれば、自然とともに倹(つつま)しく生活している地方の人たちに都会の人よりも何倍もその負担させなければならないのか。森林や田畑で二酸化炭素を吸収する産業を支えているのも地方の人たちなのである。どう考えてもおかしいと思うであろう。道路特定財源の一般財源化には、これ以外にも税制として多くの問題がある。税制は政治の中心のテーマである。もっと基本を踏まえた議論をなぜしないのだろうか。それらのことは、改めて述べたいと思う。
それでは、また。