郵貯問題について
10年03月31日
No.1428
郵政問題についてのゴタゴタは、一応は解決したようだ。亀井郵政民営化担当相兼金融担当相はご満悦なのであろう。しかし、本当にこれで良いのだろうか。元郵政族である私としては、このことにずーっと関心をもってきたが、郵便貯金や簡易保険はすでに決着済みの問題なのではないだろうか。郵貯の預り枠が1000万円から2000万円になることに、一体どのくらいの国民が関心をもち、歓迎するのだろうか。
郵政民営化問題を考える場合、最大の論点は“通信の秘密”なのである。郵貯でも簡保でもないのだが、平成17年の郵政選挙の時も、ほとんど誰も言わず、皆が“カネの問題”に終始した。最近の私の口癖は、“たかがおカネ、されどおカネ”である。もしおカネの問題を論じるとしたならば、預金情報の秘密は重要である。資本主義社会においておカネの流れを追跡すれば、その人の行動はだいたい掴める。郵貯にはその強さがあったのだが、そんなことなど誰も指摘しなかった。
日本郵政株式会社の社長に元大蔵次官の斉藤次郎氏が任命された時、皆がおかしな感じをもった。財政投融資(国債問題)と金融情報の秘密が重要な論点だと考えると、ここで平仄(ひょうそく)が合う。道路特定財源の暫定税率の廃止を裏切ったのは、民主党と鳩山内閣の最大のマニフェスト違反であった。これも財務省が拘(こだわ)っている問題である。すでに手に入れている税金を手放すなんて、旧大蔵官僚・財務官僚は絶対に考えられない。これと、今なおコンクリートに拘っている政治家がつるんでいるのだ。そう考えれば、すべて合点がいく。
それでは、また。