白川勝彦の1日(その1)
09年04月14日
No.1141
毎日1万を超える方々がこの永田町徒然草を訪れる。Webサイトを開設しているものとしては有難い限りだが、その責任の重さも感ぜざるを得ない。私の仕事は文筆業でない。私は法律事務所の責任者である。白川勝彦法律事務所に来る多くの人々の法律相談や事件依頼に応えていかなければならない。こういうご時世である。相談や依頼は昨年の今ごろに比べ、非常に多くなっている。
私は1日に10人近くの相談者や依頼者の切実な話を聴かなければならない。“現場百回”は、刑事だけではなく弁護士にも求められる。依頼者や関係者の話を丁寧に何度でも聴くことを厭っては、良い弁護活動ができないし成果を挙げることもできない。相談者や依頼者の話を良く聴く、英語でいえばhearingだ。hearには「言い分を聞く。審理する」という意味があるくらいだ。従ってhearingには「発言の機会、聴聞会、公聴会」という意味もある。hearingは英米法にとって非常に重要な概念である。
昨夜などは最後のhearingが終わったのは午後10時過ぎであった。人と会うことは嫌いでないし、話すことは大好きの方だ。人の話を聴くことは言霊(ことだま)を聴くことだ。いつも真剣勝負である。10時間近くもhearingをやるとさすがに疲れる。多重債務者の話を聴いていると事態は深刻である。日本という社会はいろいろなところで傷んでいる。病んでいる。社会の傷んでいるところを直すのが政治の仕事だが、弁護士の仕事は傷んだり病んでいる社会の狭間で苦しんでいる人を具体的に手助けすることである。快刀乱麻にすべての人々を救うことなどできないが、かなりの力になれることもある。
どんなに仕事が忙しくても、法律事務所から一歩でも出ると私の頭はガラリと切り替わる。政治家としての頭と目と耳で世の中をみる。その件(くだり)を書こうと思っていたところに電話が入り、急用で出かけなければならなくなった。このつづきは、明日か後日に。そのような事情なので、乱文・誤字はご容赦の程を。
それでは、また。