わが同志・ニライカナイさん
07年08月06日
No.510
夏祭り、蝉の声、うだるような暑さ、甲子園で白球を追う球児たち…。今年も夏がやって来た。ヒロシマ・ナガサキの原爆忌、そして8月15日の終戦の日と盂蘭盆会。日本人にとって8月は生命と平和について考える季節でもあります。
昨年9月に発足した安倍政権は、首相自らが過去に大学の講演の中で日本の核武装論を論じたり、久間前防衛庁長官が長崎への原爆投下に触れ、それを仕方が無いとしたりと、戦後日本が歩み続けてきた平和国家日本自体を否定するかのごとき動きを見せました。
この流れに対して、参議院選挙を通じて日本国民はNOの意思表示をしたわけですが、国民投票法案が成立した中で今後改憲問題がどのような動きを見せるのか予断を許しません。
私は安倍総理の唱えた゛美しい国へ゛と言う考え方に異議を唱えて来ました。それは、戦後日本国憲法が成立し日本の軍隊(自衛隊)が国家意思として他国民をただの一人たりとも殺していない事実を持って、この国は゛十分に美しい国゛であると考えるからです。
このサイトの裏テーマが平和を考えることである事は本サイトのメニューや以前の議論をご存じの方なら良くご存じなのではないかと思われます。平和の概念と言うものは非常に難しいものがあります。平和憲法を持つこの国の毎日のニュースを見ていると、この国は本当に平和なのだろうかと言う事を以前書いた記憶があります。
ただ、この国で暮らす人々が笑顔で暮らせるように、この国に生まれてよかったと思えるような国にする事が、平和の第一歩なのではないかと最近とみに思うのです。
出来るだけわかりやすく私のこの国と平和に関する想いをしたためてみました。
2007年8月6日・62回目のヒロシマ原爆の日に寄せて……
上の文章は、いつも紹介している平成海援隊Discussion BBS政治議論室の主宰者兼管理人であるニライカナイさんの本日付の書込み全文をそのまま引用したものである(改行を私の一存で勝手にやらせてもらった)。
私は18歳で東大駒場寮に入ったとき、新しく設立された「平和研究会」という部屋に入室した。東大駒場寮というところは有志がサークルを結成して、サークル単位に部屋名を付け居住することになっている。私が入寮したとき大きなサークルは「ソ連研究会」「政治経済研究会」「歴史研究会」「中国研究会」などであった。ソ連研究会などは6室くらいあったような気がする。一室の人数は6人である。「空手研究会」「ワンダーフォーゲル」などといった体育会系のサークルもあった。私にピンとくるサークルがなかったので、先輩に誘われて「平和研究会」というサークル名の部屋を新しく作り、その部屋の住民となった。
こういうと白川は“平和運動”や“平和問題”に相当詳しいのではないかと思われるのであろう。しかし、東大駒場寮のサークル名は、部屋を確保するための名前であり、実態を必ずしも反映するものではなかった。活動状況を報告する義務も特になかったし、また監査されることもなかった。要するに気のあった者同士が一緒に居住するための“看板”なのである。わが平和研究会は6名のメンバーしかいない小所帯のサークルだった。最初の意気込みはかなり大きなものだったがそれぞれのメンバーが他に活動の場を見つけ、平和研究会は単なる看板となっていった。私も例外ではなく、平和研究会のメンバーとして2年間生活したが、私の“平和運動”や“平和問題”に対する認識や行動は文字どおり看板だけのものである。
そんなことなので、ヒロシマ原爆の日である今日、ニライカナイさんの平和に対する思いをそのまま掲載させてもらったのである。ニライカナイさんとは6年前に「新党・自由と希望」を立ち上げて参議院選挙を戦う中で知り合った。創価学会関係者との激しいバトルを展開した私のサイトのBBS(掲示板)の有力な書込みメンバーだった。選挙が終り、あまりにも低劣な書込みがあったので私はBBSを閉鎖した。しかし、白川BBSに集った同憂の士はあのようなBBSを欲しいと思っていたらしい。そこで火中の栗を拾い、平成海援隊BBSを立ち上げ、管理運営したのがニライカナイさんであった。
選挙に敗北し、極端に落ち込んでいた私は最初のうちはこのBBSの存在も経緯も知らなかった。最初のうちは白川BBSの延長で創価学会関係者の荒らし的な書込みもあったようである。しかし、ニライカナイさんの巧みな管理で平成海援隊BBSは今日まで継続している。きわめて真面目で質の高い議論をしている。このようなBBSなのにそのアクセス数は2003年1月26日から今日までの4年半で11万7000余もある。これは驚異であろう。最近では新しいメンバーや白川BBSの書込み者も帰ってきて、活発な議論が展開されている。主だったメンバーの政治的スタンスは、基本的に反自公“合体”政権である。
もちろんニライカナイさんも反自公“合体”政権である。しかし、ニライカナイさんの政治的視野や知識は深く広い。そして平和に対する熱い思いが窺われる書込みだったので、看板だけの浅薄な問題意識しかない私が平和問題を論じることはやめ、ニライカナイさんの書込みを引用させてもらった次第である。私はニライカナイさんの多くの書込みにほとんど賛同できる。ニライカナイさんもこのWebサイトを通じて発信している私の意見に概ね賛同しているようである。時には柔らかくしかし正鵠を得た厳しい批判をいただくこともある。多くの読者が本当かと驚くと思うであろうが、私はまだニライカナイさんと会って話したことがない。メールを打ったりもらったりすることもない。ましてやBBSの運営について打ち合わせたこともない。ニライカナイさんは不思議な、しかし素晴らしい私の同志である(ニライカナイさんには迷惑かもしれないが……)。
それでは、また明日。