沈黙は金ならず。
14年03月23日
No.1660
随分と、ご無沙汰をした感がする。この前の永田町徒然草は、実際のところ14日前であった。この間、風邪をひいたのは事実だが、永田町徒然草をupdateできなかったのは、風邪のせいだけではない。私が、深い嫌悪感に陥ったからである。何に対する嫌悪なのかは確かでないのだが、現在の社会情勢というか、世間の有り様に対するものであったような気がする。
私を強く失望させたのは、3・11に関する報道があまりにも少なかったことであった。約2万人もの同胞が、私たちが想定していなかった災害で亡くなり、いまなお、20数万人が避難生活を余儀なくされている現実に対して、真剣に向き合った報道があまりにも少なかったことが、私を愕然とさせた。これからなされる復興も防災対策も、悲惨な現実を直視することから始めなければならない。何百キロに及ぶという防潮堤計画や原発再稼働は、果たして3・11が齎した現実を直視した結果なのであろうか。
次には、ウクライナ問題もあった。ウクライナ問題をどのように捉えたらよいのか、残念ながら私には十分な知識がない。しかし、ロシアが現在のように処理したのが間違っていることは断言できる。ただ、最初から現在のような結果になるとほとんど予想できたのに、これに対して有効な反対行動を、アメリカやEUが取れなかったことが不思議であった。G7の力は、そんなに弱いのか。
この間、クリミアの近くのソチでパラリンピックが行われていた。わが国のマスコミは、パラリンピックの報道を平気でやっていたが、そのニュースが流れると、私はチャンネルを切った。私が衆議院議員に当選した直後の、1980年。大平内閣は、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議して、モスクワ・オリンピックをボイコットした。この事実を、どのテレビ局も報じなかった。ソチ・オリンピックは“プーチンのためのオリンピック”と揶揄されていたが、まさにその通りだった。安倍首相は、そのオリンピックに協力したのである。
もうひとつの不可解なニュースが、マレーシア航空機の事件である。当初は事故なのか事件なのか不明であったが、現在では事件というのが多数説である。事件であればあるほど、その真相が未だに不明なのは、ますます不可解と言わざるを得なくなる。マレーシアは、マハティール元首相の改革で、アセアン諸国でも最も近代化に成功した国と思っていただけに、今回の事件処理は、極めて残念である。タイの政情もおかしい。その上、マレーシアの政治までおかしいとなると、アセアンに対する信頼が揺らいでしまう。
このような情勢の中で、安倍首相の集団的自衛権行使容認の発言が続いている。昨日の防衛大学校の卒業式でも、馬鹿の一つ覚えのような発言をしていた。この人はもう、熱病に罹っているようだ。限定的にせよ、集団的自衛権の行使を行えば、わが国が戦争行為を行い、それによって戦争に巻き込まれるのは、疑いを得ない。安倍首相とその仲間は、政府がそのような行動を行うのを憲法で禁じていることが、本当に理解できないのだろうか。これは、普通の日本語の問題である。
以上の他にも、私を憂鬱にさせる出来事が日々起こっている。そういうことを書き出すと厄介なので、風邪を理由に永田町徒然草のupdateをつい、サボってしまったのである。私がいちいち文句を言っても、果たしてどれだけの意味があるかも分からない。しかし、このような中で、沈黙は金ではない。体調は決して万全ではないが、何か言わなければ不正に加担することになる。これからも、私は発言していかなければならない。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。