けっこうな1週間
13年04月13日
No.1566
4月13日の土曜日。天気は良かったが、気温はかなり低かった。北海道では、雪の降る地域もあったという。新潟生まれの私には、驚くことではない。新潟でも、4月の雪は決して珍しいことではなかった。しかし、4月14日の日曜日は、全国的にグッと気温が上がるという。もう、いい加減に春爛漫となってもらいたいものだ。それにしても、今年の東京は、春爛漫の日が本当に少なかった。
春爛漫と盛り上がっているのは、ひとり、安倍首相と自民党だけである。その虚しさと危うさを、前回の永田町徒然草で、私は「安倍モノのはかなさ」と書いた。敢えて「はかなさ」という表現を使ったのは、安倍首相の言動が、春爛漫の桜のように見えるからである。私は、長い政治生活の中で、「得意冷然、失意泰然」を学んできた。この道から外れると、政権も政治家も、失敗するものだ。安倍首相は、おそらくこの言葉すら知らないのであろう。
4月に入ってから、私は、個人的に忙しい日々が続いている。1週間という日時は、個人的にも、いろいろなことがある。国の政治でも、1週間に結構いろいろなことが起きるものである。この週も、いろいろなことがあった。それらについて述べれば、前回のように、かなり長くなるだろう(笑)。だから、私が特に感じた事だけを述べることとする。政治的に、特に重要だ、という意味合いはない。永田町“徒然草”なのであるから。
まず、北朝鮮のミサイル発射問題である。ほとんどのニュース番組で、トップ、かつ長い時間を割いていた。こういう問題が起こると、お馴染の人々が登場し、いろいろな御託宣をいう。それらに茶々をいれるつもりはないが、こうした問題こそ、政治家が己の言葉で、勇気をもって話さなければならない。戦争をするのも政治であり、戦争を回避させるのも政治だからである。
こうした問題について話すのは、政治家にとって、苦しく辛いことである。ある一言が、その政治家の政治生命を断つこともあるからだ。しかし、こうした問題について率直かつ大胆に語る勇気がなければ、政治家とは言えない。文字通り「戦争と平和の問題」だ。私が見たニュース報道番組で、政治家として登場し、北朝鮮のミサイル発射問題について政治家らしい話をした人物は、残念ながらひとりもいなかった。
次は、福島第一発電所の汚染水問題である。「わが国の技術は世界一」などとはかけ離れた、お粗末な話である。ところで、こうした話が出るたびに私が不思議に思うことがある。「東京電力を、実質的に国有化した」という話との整合性である。国有化したのならば、この汚染水問題は国の問題であり、国の責任ということになるのではないか。私には、“実質的に国有化した”という意味が分からない。これは、「銀行の実質的な国有化」の時にも感じたことである。
各電力会社から、今夏の電力供給状況の発表があった。各社とも、原子力発電を行わなくとも電力の供給が足りているので、今夏は、節電の数値目標を設けないという。電力料金は少し上がるが、電力供給の目途はついたということだ。しかし、安倍政権のエネルギー政策(特に原子力発電の問題)には、変化の兆しさえない。「ドイツと一緒になって、原子力発電に依存しない文化国家を作り上げることが、人類の文明に貢献する道だ」と、私は考えるのだが…。
お終いは、株価と為替である。“異次元の金融緩和”とやらで、株高と円安が一気に進んだ。しかし、為替は1ドル=99円数十銭のところで止まっている。株価も、日経平均13,200~13,500円で揉み合っている。あまり“異次元”な動きとはいえない(笑)。4月15日から始まる週を、私は注目している。マスコミはアベノミクスをずいぶんと持ち上げているが、国民も、国債市場関係者も、冷静である。わが国の市場の動きは、極めてドメステック、と私は見ている。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。