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HOME > 白川文庫 [l] > カツヒコ・アラカルトTOP[f] > 白川勝彦の世の中つれづれ談義 > 2010年12月18日 (第25回)

ラジオつれづれ草 リスナーから

どうも、再来年くらいから年金が切り下げになるという。もう赤字国債はこれ以上出せないから、やがては消費税アップになるんでしょう。革命的に変えてくれると思った政権交代ですが、国民は貧しくなるばかり。総理大臣はグルメざんまいとか。「貧乏人は麦を食え」なんですか。

(池田隼人・横浜在住の年金生活者より)

 白川勝彦の世の中つれづれ談義   2010年12月18日 土曜日 (第25回)

死刑求刑が無罪判決に〜有罪率99.9%の真実

話者名話の内容
死刑求刑が無罪判決に〜有罪率99.9%の真実
小泉白川さん、今日はどのような話題から始めましょうか。
白川この番組では、「たかがお金、されどお金」ということで、債務整理を中心にお話ししてきました。弁護士としてこの仕事を大切に考えて来たのは、人は何かの理由があってお金を借りる。しかもそれには金利がついていることも納得しているわけですね。借金が増えてくると、返済が生活するうえでものすごい重荷になりますね。それで苦しんで、中には自殺する人もいる。そのように今、多重債務が社会問題化していますね。
話者名話の内容
  やはり、資本主義社会では、お金の問題は人間を幸せにしたり不幸にしたりする。
もう一つ、人間の苦しみというのは、逮捕されたり拘禁されたりして自由を奪われることですね。そのつらさはお金の悩み以上でしょうね。そういう時こそ、病気の場合に医者に行くように、弁護士が頼りになるわけです。逮捕・拘留されたら家族でも会えない、弁護士だけが接見することができます。弁護士にとって、そういう刑事事件も大きな仕事の一つなんです。
今年は、刑事事件の裁判で大きな出来事がいくつかありましたね。一つは足利事件の無罪判決です。栃木県で起きた幼児殺害事件で犯人とされた菅家利和さんが、自分はやっていないと言い続けていたのに、無期懲役の判決を受け17年間も刑務所に収監されていた。結局最大の証拠とされたDNAが再鑑定で他人のものであることがわかって、再審で無罪となりましたね。多くの人は、今の世の中でそんな理不尽なことがあるのかと思ったのでは。
もう一つは大阪地裁で争われた厚生省の村木厚子元局長の刑事裁判です。この裁判ではかなり前から、証人の証言などから無罪判決が出るのではと見られていました。
小泉検察官の証拠偽造があった事件ですね。
白川

有罪率99.9%と言われるぐらい、死刑の求刑を無罪にすることは極めて難しい

そうですね。検事が押収したフロッピー・ディスクの日付を書き換え、内部告発で捕まりましたね。それを知っていた大阪地検の幹部である特捜部長や検事正も犯人隠避の容疑で逮捕されました。これは、検察史上最大の汚点と言ってもいいくらいの事件でしたね。ですから、いま法務大臣のもとで検察のあり方について議論されていますし、特捜なんて必要ないという声も出ています。
裁判員制度が始まって、そのもとで多くの判決が出ていますが、先日の鹿児島地裁の判決に驚いた人も多かったのではないですか。夫婦を殺害したとして被告に死刑が求刑されていましたが、裁判員の判断で無罪の判決が出ましたね。裁判員裁判でなかったら果たして無罪判決になったのかと、私個人は思いましたね。
有罪率99.9%と言われるぐらい、死刑の求刑を無罪にすることは極めて難しかったですからね。
さて、この事件が控訴審になった場合、裁判員裁判でないですから、高裁の裁判官はどのような判断をするのかですね。苦しむのではないですか。
「権利を実現するためには闘わなければならない」
小泉番組の後半は、お金に関する法律や生活経済の悩み事について、白川さんからアドバイスをいただきます。
前半は、弁護士にとって刑事事件が大きな仕事だということ、そして冤罪事件についてのお話でした。
白川

一生懸命やっていると、真実が明らかになったり、望みが叶うこともある

債務整理の分野でも、借金で首が回らなくなって死ぬことも考えたが、最後の依り所とした弁護士に相談することも少なくないですね。その結果、過払いがあったとか、借金がゼロになったこともあるわけです。だから、弁護士も大きな力をもっているんだなと思いますね。
前半の刑事事件の例では、死刑が無罪になった。弁護士がいなかったらそうはならなかったのでは。
私は34才から政治の世界に入りましたが、もともと二足のわらじは履かないという信念でしたから、弁護士活動に復帰したのは国会議員をやめてからですね。ですから、34才までと、議員を辞めてからの弁護士活動を通して、50件ほどの刑事事件の裁判にかんけいしました。そのうち2件の裁判で無罪判決を取りました。これは私の誇りなんですよ。
現在、起訴された刑事裁判で有罪となるのが99.9%ということですが、辯護士が徹底的に争わないからそうなるとも言えるのではないでしょうか。証拠が不備なところを突くとかですね。
先ほど話した鹿児島地裁の判決では、裁判員も言っていましたが、検察側の証拠では被告を犯人とすることはできない、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則によって無罪の判断をしたと話していましたね。ですから、弁護士が証拠能力を徹底的に突いた結果とも言えるのでは。
私も弁護士になりたての頃、30才になる前ですかね、銀行の強盗殺人事件の二審を、仲間の数人の弁護士と一緒に担当したことがありました。一審は無期懲役、審は無罪でした。それも「疑わしきは被告人の利益に」ではなく、完全無罪の判決でした。もちろん上告もされませんでした。それは凶器とされたのは手製の刃物3つのうちの一つで、二つはすでに所在が明らかだった。犯行に使った残りの一つについて、被告は犯行後海に捨てたとされていたんです。被告は「私はやっていない」と言っている。私たちもそれを信じて仲間の弁護士とともに一生懸命弁護をした。そうしているうちに、ある人から、被告から手製の刃物をもらったが、以前それが押収されたという申し出が私たちのところにありましてね。それで検察庁の倉庫を探したら、なんと三つ目の刃物があったんですよ。
小泉それで無罪になったわけですね。思っても見ない展開でしたね。
白川ですから、物事は筋書き通りにはいかないけれど、こうしたいと思って一生懸命やっていると、真実が明らかになったり、望みが叶うこともあるんですね。
私の好きな言葉に、ドイツの法学者・イエーリングの「権利を実現するためには、国民も闘わなければならない」があります。「権利のための闘争」ですね。今日は、債務整理のお話は出来ませんでしたが、私のもう一つの仕事である、刑事事件の弁護活動について話をさせてもらいました。

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