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白川・上柳 放送対談中の表情写真

ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2012年8月7日 火曜日 (第76回)

テーマ
「実家を継いだ長男は、遺産相続で考慮されることはありますか?」

話者名話の内容
上柳毎週火曜日のこの時間は「ごごばん! 法律クリニック」。ラジオの前の、あなたの法律の問題についてお話を伺います。スタジオには、お馴染み、白川勝彦法律事務所所長、弁護士歴40年の白川勝彦弁護士です。今日も、宜しくお願いします。
白川宜しくお願いします。
増山宜しくお願いします。
上柳では、早速今日も、ご相談内容です。匿名希望の、56歳の男性の方からの、このメールです。
話者名話の内容
増山
私は、三人兄弟の長男です。高校を出てからは、父の実家の工場を手伝い、結婚後は、夫婦で父を助けてきました。他の兄弟は大学を出させてもらい、それぞれ、会社員として持家で生活しているのですが、最近父が亡くなり、弟たちが、工場を売却して平等に分けようと言ってきているのです。私たちとしては、どうしても納得が出来ないのですが、私たち夫婦が長年家業を手伝ってきたことは、相続で考慮されることはないのでしょうか?
上柳これはやっぱり、お父さんの後を継いでいるのでね、色んな思いがあると思うんですが。白川さん、どういたしましょうか。
白川こういうケースは、全国にいっぱいあるんじゃないでしょうか。もっとも、三人兄弟そのものが少なくなりましたが…。この方の年齢なら、三人とか四人とか、いっぱいいましたから。
上柳長男は大学に行かず、お父さんの仕事を手伝って、老後の面倒を、おそらく見てきた、と …… 平等になりますかね。
白川ちょっと全般の話をして … この場合どうかということじゃなくて。今は、もう一人だとか、いても二人だけとか、逆に、関係者が少ないから、あまり問題がないところもあるんですけど。
ところで、いま、上柳さんは『平等で』といいましたけど、それは、戦後の話ですよね。戦前は、どういうことだったか。
上柳それは、長男のみがということですよね。
白川家督相続といいまして、原則は、家督を継ぐ者が ─ 普通は長男ですけど、全部財産を譲り受ける、と。それが、戦後の民法改正で、兄弟は全部平等で、と。ギャップが大きすぎるでしょ。だから、そういう面では、色々揉めたり、遺産分割というのは、兄弟が多い場合は、みんなどこでも問題があったことは事実ですね。
ところが、そこは日本人の知恵があって、遺産相続で喧嘩したり、みんな訴訟になったかというと、そうではないんですね。と、いうのは、お父さんも長男も、例えば、自分は大学を出てないけど、大学を出してやる、と。特に、医学部なんかの場合は、相当お金がかかりますからね。そういう問題も、ある面ではやってもらってきたから、だから、兄さんが相続することには、反対もしてこなかったんですね。
だから、日本人というのは、そういう知恵があるんですね。
上柳バランスみたいなものがね。
白川ただ、法律一辺倒で言うと、昔はあれだけど、今は、平等が原則だと法律に書いてあるから、この通りにしろよ、と …… と、いうので揉めたケースは、いっぱいありますね。
そこで、そうはいっても、実質的に公平でなくてはいけない。お兄さんが全部取るというのも、ある面では公平じゃないかもしれないけど、その代わり、色々なことがあるのに、それも一切考慮されない ─ 法律上平等だからといって。
上柳『俺は、色々我慢したんだけどなぁ…』という思いは、ありますよね。
白川そういうので、昭和55年ですけど、寄与分という制度が設けられました。これで、ある程度解決できるようになったんですね。
それから、それ以前の話でして、特別受益者というので、特別の受益を受けた人は、相続の中から相続分を事前に受け取っていたみたいな形で調整するという制度がありまして。
だから、戦前の家督相続と、長男が全部相続するというのと、平等だというその二つの制度を利用して、実際に公平な遺産相続が出来るようにという風に、逆になったわけですね。
ただ、いずれにしろ、前にも話した通り、遺産相続というのは、原則は相続人同士の話し合いが大原則でしたよね。それも、全員が納得しないとダメなもんですから。ところが、今のような話だと、なかなか難しいようなので、話し合いがつかない可能性もあるんじゃないでしょうかね。
では、付かない場合はどうするかというと、家庭裁判所に申し立てて、調停だとか ── 調停も、基本的には話し合いですが、調停がダメならば、裁判官の審判を求めるということになりますので。
いずれにしろ、この場合、揉めてしまえば家庭裁判所に行って、裁判官から色んな面を考慮していただいて…
上柳色んな案は、出してもらえるんでしょうね。
白川その時に、どういうことが考慮されるかというと、特別寄与分の場合は。寄与分というのは寄与した ─ 例えば、遺産に関して、俺はそれなりに寄与しているんだよという、そういうのは見てあげないとおかしいね、と。
では、どういうことがみなされるかというと、亡くなった方の事業に関する、労務の提供 ─ この場合、そうですよね。労務を提供して、ちゃんとそれなりの給料をもらっていれば、別に寄与じゃないですよね。
上柳これはまた、難しいところですね。
白川そういうのは、裁判官が見ますから。だから、事業に対する労務の提供。あるいは、財産上の給与 ─ 例えば、お父さんが事業が苦しいからと言って、長男の方の個人的な貯金を、500万位援助したとか。あるいは、被相続人の療養看護 ─ 例えば、面倒見るくらいは普通ですけど、現実にはすごく重たくて、相当金がかかる場合もありますよね。その他の方法により、財産の維持 ─ 例えば、奥さんが一生懸命面倒を見なかったら、看護師を雇う必要があったとしたならば、減りましたよね。それを、奥さんが一生懸命やったから、減らなかったからと、維持には貢献してますよね。
あるいは、場合によったら、一生懸命働いて遺産が増えた、と。なかなか難しいけど、それを裁判官が最終的には見て、裁判官が、寄与分ということで判断しますね。
上柳民法で決まっているわけですね。
白川昔はなかったですね。これがなかったから、難しかったですが、今は、これがあるから、だいぶ楽になったということですね。
それから、特別受益者というのは、例えば、大学の医学部を出してもらった、と ─ 医学部って高いですよね ─ そういうようなことは、あらかじめ受けた者として。
ただし、亡くなった方が、それは関係ないよという意思が表示されていれば ─ 遺言や、それと同じような意思があれば、それは考慮されるということです。
上柳かなり細かく、法律は定めているんですね。
白川だけど、現実には、話合いによって決める、ということになりますよね。
上柳良くわかりました。白川勝彦弁護士でした。来週も、宜しくお願いします。
白川宜しくどうぞ、お願いします。
増山ありがとうございました。

上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー (文中敬称略) | 第75回 | TOP[t] | 第77回

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