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白川・上柳 放送対談中の表情写真

ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2012年4月3日 火曜日 (第58回)

テーマ
「遺産相続に関して、基本的な知識を教えてください」

話者名話の内容
上柳毎週火曜日のこの時間は、「ごごばん!法律クリニック」。ラジオの前の、あなたの法律の問題についてお話を伺っています。スタジオには、白川勝彦法律事務所所長、弁護士歴40年の白川勝彦弁護士です。雨の中、ありがとうございます。宜しくお願いします。
白川宜しくどうぞ、お願い致します。
増山宜しくお願いします。
話者名話の内容
上柳では今日も、相談内容を早速ご紹介です。タカシさん、52歳の男性からの、このメールです。
増山
先日、私の父が80歳で亡くなりました。父は生前、貯蓄や株などで貯めた遺産が5000万円あるんですが、母はすでに他界しているので、私を含め、兄妹4人で遺産相続することになります。私には、二人の兄・一人の妹がいるのですが、二人の兄はすでに結婚をしていて、義理の姉からも、今回の遺産相続の件で何度も電話がかかってきて、相続問題で悩んでいます。私たちの場合、兄妹それぞれが相続する遺産、お金は、どのようになるんでしょうか? 遺産相続に関する、基本的な知識を教えてください。
上柳お兄さんからじゃなくて、お兄さんのお嫁さん、義理のお姉さんから…。『ちゃんと言っておかないとダメよ』『私が言うわ!』なんて、目に見えるような光景ですね。あるらしいですね、こういうことは。
白川基本的には簡単な話で、あくまでも遺産の相続人はこの方の場合は、ご兄妹4人ですから。4人が協議して話し合いをして、全員でこういう風に分けようと決めれば、それで決まりです。嫁さんがどう言おうが、だれがなんと言おうが、相続人である4人の兄妹がこう決めましょうと言えば、それで決まりです。
話が決まらないとどうするかというと …… 順序を追って説明したいと思うんですが…。
よく、私有財産の国と言われていますよね、自由主義社会というのは。ですから、自分の財産というのは、どういう風に処分しようが、財産を持っている人が自由に決めるわけですね。ですから、例えば生前に、こんなものは残しておくとロクなことが無いからって、全部どう使おうが、それは本来的に、私有財産ですから、その人の自由ですね。
上柳『使いきっちゃって、俺は、あの世に行くんだ』っていう人も、いるかもしれない…
白川増山さん、子孫に美田を残さずって言葉知ってますか? 聞いたことないですか?
子供たちに、美しい田んぼ ─ 昔は、お米が取れる美田というのは貴重な財産だったわけですね。美田を残さずという言葉があるくらいで、まさに、子孫に美田を残さずにどういう風に処分しようかと。
それを処分しようとしたら「お父さん、それじゃあ相続財産をあてにしている私たち、困っちゃうよ」と言われてしまいますが。
上柳親の財産なんかあてにしていちゃダメだ、と。俺は俺の代で使い切るから、お前たちはお前たちで、頑張れ! ─ 子孫に美田を残さず。
白川…と、いうことですね。そういうのが大原則ですから、当然、死んだ後、不幸にして美田を残しちゃった、と。
美田をどういう風にして欲しいかというのは、まず第一次的には、そもそも自由にどう使ってもいいんですから。死後どういう風にしてもらいたいかという本人の意思が示されれば、それが最優先にされるというのは、そっちの延長として、当然ながらあるわけです。遺言ということですね。だから、私の財産はこういう風に分けて欲しい、と。それが、普通我々では「イゴン」というんです。
上柳法律用語では、「イゴン」。
白川こういう風に分けて下さいというのを ─ 生前に、死後の事を決めておく。
ただ、生前に死後の事を決めておくことは、契約じゃないですし、争いがおこると困るから。前にも話したと思いますが、普通、どういう風に決めようが自由な社会ですし、こういう風に分けなさいという遺言は、厳格な3つくらいの方式があるんですが、きちんとそれにしておかないと争いが出てくるから、それ以外の遺言は無効だと言われています。
ですから、契約自由が大原則の世の中ですから、どう決めようが普通は自由なんですが、遺言だけは、方式行為、方式を踏まないとダメですよという、そういう法律行為なんですね。
ですから、遺言があれば、まずそれが優先されます。まず、相続があったら、遺言があるかないかまず調べます。その遺言があれば、遺産はその通りに分けます。
ところが、遺言が無い場合はどうするか。その場合は、相続人の全員の協議。だから、相続人は全員権利を持っているわけです。ですから、どういう風に分けるかは、相続人同士が協議して決めれば、どういう風に分けなさいと決まりは、特にありません。
相続人同士がそれでいうと、私はいらないよという人がいて、私は多めに頂きますよという人がいて …… ただ、相続人同士が、全員が納得すれば、それは優先されます。
上柳『あなたはお父さんの世話をしてくれたから、多めにいいよ』みたいなことになればね…
白川ですから、こういう風に決めなさいというのはなく、どういう風に決めようが自由です。
これは、遺産分割協議といいまして、多数決じゃありません。だから、全員がこれでいいよと言って判子を押せば、それで決まりです。その、多数決でないということが、大事だと思うんですね。
だから、どんなに声が小さくても、私がそれじゃ納得できないと判子を押さなかったら、やっぱり、それは成立しないんですね。
じゃあ、遺言も無い、それから相続人同士の協議も成立しないという場合、どうするかというと、その場合は、こういう風に分けなさいというのが、民法できちんと書いてあります。
ですから、そんなに大きな問題はないと思うんですが。
上柳最終的には、法律で決まっている通りにのっとってやっていくわけですか。
白川ただしですね、例えば、この方の場合だったら、すでにお母さんが亡くなられていますから、4人が平等に4分の1ずつ分ければいいんですが、ところが、そこに不動産なんかがあったりすると、その不動産の価値が一千万だとしたって、一千万であるかどうか、分からないじゃないですか。
だから、法律通り分けましょうといっても、現実には、みんな金にすれば簡単に分けられるんですが、換金なんかそうできませんので。そうすると、意外に法律通りに分ければいいじゃないかと言っても、土地だとか、そうでないものがあったりする場合は、現実にはどう分けるかというのは揉めるんですよね … その評価だとか価値をめぐって。
そういう場合は、分ける方法は決まっているんだけども、現実には、結果としては、遺産協議分割は出来ないんですよ。
私は金が欲しいからというような形で評価したりして、金にすれば別だけど、金にしないと、これは一千万円分だと言ったって、実際は二千万もあるじゃないかということで、実際に、相続人としてはもめるんですね。その場合は共有物と同じですから、家庭裁判所に『遺産分割をして下さい』と申し立てをすれば、家庭裁判所が職権で分割する、と、こういうことになっております。
結論から申しますと、この方の場合は、お義姉さんたちは関係ないので、基本的には4分の1ずつ、仲良く分ければいいということであります。
上柳お時間でございます。白川勝彦弁護士でした。
白川どうも、失礼します。
増山ありがとうございました。

上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー (文中敬称略) | 第57回 | TOP[t] | 第59回

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