HOME > 白川文庫 [l] > カツヒコ・アラカルトTOP[f] > ごごばん! デイリースペシャル > 2011年9月27日 (第34回)
ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2011年9月27日 火曜日 (第34回)
テーマ
「主人に知られる事なく、債務整理する事は出来ますか?」
話者名 | 話の内容 |
---|---|
上柳 | 毎週火曜日は、ごごばんリスナーのあなたの「法律の問題」についてお話をうかがっています、「ごごばん!法律クリニック」。スタジオにはお馴染み、白川勝彦法律事務所所長、弁護士歴39年の白川勝彦弁護士です。今週も、宜しくお願いします。 |
白川 | 宜しくどうぞお願いします。 |
増山 ・堀 | 宜しくお願い致します。 |
話者名 | 話の内容 |
---|---|
上柳 | では早速、今日のご相談内容ですね。今日は匿名の女性、45歳の方からのメールです。 |
増山 | 主人の仕事が少し不安定で、私もパート勤めをしていますが、生活が厳しいこともあって、5年前から消費者金融でお金を借りています。これまでは何とか返済をしてきたんですが、娘が私立の高校へ進学したり、長男が塾に通うようになったり、このあと受験も控えていて、さすがに追いつかなくなってきました。私のやりくりがまずかったという気持ちもあり、主人には借り入れをしていることは伝えていますが、支払いきれない状態だとは伝えていません。主人に知られることなく債務整理をしたいのですが…。 |
上柳 | 学費等々お金のかかる時期に、色んなタイミングでお金をかりてらっしゃるということなんですが。今日も白川弁護士にお話を伺いますけども、この中にある『ご主人に知られることなく、債務整理をしたい』─ 気持ちはわかりますけども……誰かに知られないまま債務整理をしたいという相談、これ、多いんでしょうね。 |
白川 | 誰かにっていうのは、当然ですけどね。本来は、秘密が無いはずの夫婦。例えば、実際7〜8割は『妻に内緒に』『夫には内緒に』というのが現実です。 |
上柳 | なるほどね。例えば、色々な借金がある、と。で、その場合、ご主人のほうが保証人になっていたりすると、これまた内緒っていうのも、なかなか難しいですよね。 |
白川 | そうですね。だから、5件から借りていて、一つだけご主人さんが保証人で ─ 例えば、任意整理の場合ならば、それはそのままにしておいて、残りは債務整理をすることはできますから。ご主人さんが保証人なのは、内緒にいきませんから。そうすると、結局ご主人さんが保証人してるやつについて、債務整理すると本人に行きますから…債権者が。もし、その場合だったら、ご主人さんも一緒に頼めばいいですけど、そうでない場合は、それは除きましょうかと、出来るわけです。 |
上柳 | なんでも相談してみるもんですね。 |
白川 | そうですね。 |
上柳 | そうは言っても、夫婦は夫婦ですから、やっぱり、ご主人にちゃんと本当のことを話してほしいですね。 二人のお財布なわけですからね。ちゃんと相談するのも一番なんじゃないかなと思うのですけど、その辺はどうなんですかね?? |
白川 | そこがまた、“夫婦異なもの”というじゃないですか。そこは、一概に言えないんですよ。 人には『無理して、ちゃんと話しなさい』、でも『話をすると、結局夫婦間が微妙になる』と言う方もいますから。私は、それが大事なこととして、『内緒にしたいならば、内緒にやりましょう』と言って、万全の配慮をしています。だから、お手紙のやり取りでも、白川勝彦法律事務所という名前を使わないで、個人名のやり取りをするとか。 内緒にやりたいのはその人の意向なんだから。それは最大限頑張ります。 |
上柳 | そうですか。今日のご相談の女性は、ご主人に知られたくないということなんですが…。今までの話の流れを伺っていると、『可能かな』とは思うのですけども。 |
白川 | まったく可能です。ただ、むしろ僕が今日言いたいのは……こういう人が多いと思いますよ。 例えば、テレビCMだとか、あるいは車内広告だとか新聞なんかに色々あるじゃないですか。過払い金が取り戻せるとか、着手金ゼロで将来利息カット、支払いストップとか。 そういうのがある意味では、一時期ちょっと躍っている中で下火になったかもしれないけど、だけど債務整理をやるとこういう問題があるんじゃないかということで、おっしゃられている人がいらっしゃるわけですよね。だけど、それが現実何だと思います? ですから私は、『全く心配ないですよ』『出来ますよ』ということですが、むしろこの際、こう言っておいた方がいいと思うのですよね。弁護士に、そういうのを頼んでいた方が、かえってご主人にも ─ 中には、会社にもばれたくない人も、いっぱいいますよね。弁護士に頼んだ方が、そういうことの恐れが無いですよということを言いたいんですね。それは、貸金業法に書いてありましてですね。ある債務者…お金を借りている人が、弁護士に債務整理を頼んだ場合は、以後、ご本人には請求もしてはいけないし、交渉もしてはいけない。全部、弁護士を通してやれと書いてありますから。 |
上柳 | 直接交渉はダメよと。 |
白川 | 請求したり交渉したりするところは、電話が通じないと、家に何度も電話かけたりして、ひょっとしてご主人さんが出たりするケースがあるわけですね。 |
堀 | 精神的にもね、追い詰められますよね。 |
白川 | だから、かえってバレることが多いんですよ。だから弁護士に頼むと、そういうことが貸金業法上禁じられているわけですから。だから、そういう面では安心なんですよということを、むしろ知って頂いた方がいいわけです。それから、もうひとつ付け加えますと、この人もそうだと思いますが、『主人に内緒で、なんとか解決したい』と…… |
上柳 | 分かりました。お時間でございます。白川勝彦弁護士でした。ありがとうございました。 |
白川 | どうも失礼しました。 |
増山 ・堀 | ありがとうございました。 |
上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー / 堀ちえみ氏 = タレント曜日パートナー (文中敬称略) | 第33回 | TOP[t] | 第35回