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ごごばん! デイリースペシャル 〜法律クリニック〜 2011年7月5日 火曜日 (第22回)
テーマ
「インターネット上での契約合意について」
話者名 | 話の内容 |
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上柳 | ラジオの前のあなたの法律問題についてお話を伺います。「ごごばん!法律クリニック」。スタジオには白川勝彦法律事務所、お馴染み白川勝彦弁護士です。お暑うございます。宜しくお願い致します。 |
白川 | 宜しくお願い致します。 |
堀・ 増山 | 宜しくお願い致します。 |
話者名 | 話の内容 |
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上柳 | それでは早速、今日の相談内容です。今日は匿名の方、男性からのメールです。 |
増山 | 一ヶ月ほど前から、高額な請求を求めるメールが度々届きます。何度も届くうちに、以前ネットで怪しげなページを開いて、その時にメールアドレスなどの個人情報を少し書きこんでしまい、それが影響しているかもと思い始めました。詐欺の類とは思いますが、このまま請求は届き続けるのでしょうか? やめさせる方法はあるのでしょうか? |
上柳 | これは、ご自身もあるかもしれませんが、お子さんが、なんていう場合もあるかもしれません。 こういう話も白川先生、多いんでしょうね?最近。 |
白川 | 私も以前、こういう事ありました。私のWebサイトのアドレス、メールアドレスも書いてあるもんですから。そうすると、結局、誰でも見られるんですね。それで、きっと怪しげなメールが届いたと思うのですが。 どういうのが来たかというとですね、12〜13万の金額を払えとかという内容だったんですよ。 そして、もしそうしないとインターネットだとか通信に支障が出ますよ、と。インターネットが使えなくなると、困るじゃない。多少、そういうのがあったのかな? その頃、私も生活が不安定でしたから、そういうこともあったのかなと思ったんで。 当時、私のインターネット環境を管理している人に聞いたら「そんなのは放っておきなさいよ」と。いわゆるスパムというのでしょうかね…ネットの世界には、そういうのがいっぱいあるんですね。 何度かおどろおどろしいメールが届きましたが、無視していたら、一ヶ月もすれば来なくなりましたね。 私も、そういう経験があります。特に、怪しげなページを開いたなんていうと、人にも相談しにくいとかって… |
上柳 | 良心の呵責があるとね。もしかして、あれか? って思うとね。 |
堀 | 私は携帯に「ご当選おめでとうございます!」って類のものが、10種類ぐらい。毎日毎日送られてきます。 |
上柳 | 手を変え品を変え、色々なんですね。 |
堀 | それは、娘がゲームにログイン?して、そこにアドレスが残ってるからだと思います。 ありますよね、このようなメールが来るって。 |
白川 | 結局、これはですね … 最近、個人情報が何万件流れたとかっていうのは、大事なニュースとして流れたりするじゃないですか。色んな個人情報があるのでしょうけども、その中にはたぶん、メールアドレスを書いたりしたのが、大量に流れる場合だってあるわけですね。そういうのを、よからぬ人間がよからぬ形で、彼らなりに分析して、こういうのが引っかかるんじゃないかと、メールをどんどん送りつけて。 |
上柳 | 悪知恵が働くわけですね。 |
白川 | それが仕事ですからね。もう、こうなると完全に詐欺ですよね。この人たちは、きっとこういうのが引っかかるんじゃないかって … メールとか、タダですから ─ 送信ぐらいはね。郵便なら、80円とかいくらかかかるけど、メールなら送信するには、タダですから。こうなると、もう詐欺ですね。ですから、色んな書類を見る時に、インターネット上のものはなぜ信用できないかというと、名を名乗らないというところが、インターネットの他のところと比べて怪しげなとこです。 しかし、インターネットなどで、色んな売買しなくちゃならないことがあると思うんですが、大事なことをする場合は、インターネット上でも住所・氏名・電話番号とか、そういうのがちゃんと書いてあるかって言うのが、一つ大事だと思いますね。名を名乗らない奴には「名を名乗れ」というじゃないですか。名をちゃんと名乗らない人は、ちょっと怪しげなところがあるんですよね。 債務整理をやっている弁護士事務所も、ネットを検索すると、どこに事務所があるんだ?というものが多いですね。よっぽど探さないと分からないところもあるんですよね。 だいたい、弁護士だって「私はこういうものでございます」と、住所・氏名とか電話番号くらいは、まずきちんと表示することが信用の第一じゃないでしょうかね。 私は、政治上のものもインターネット上でよく見ますけども、自身の事を書いてないサイトは、あまり見ません。というのは、まず名乗ってから ─ そういうことをちゃんと名乗る人がどう言っているかというところに意味があるんじゃないでしょうか。 |
上柳 | 書いたその文章の責任者は誰なんだと、分からなくちゃね。 |
白川 | そういうの、結構多いでしょ? 誰が出しているのか分からない。 それで、元に戻りますと、今日の質問の主旨は、契約が成立するとはどういうことですか? ということだと思うんです。よく、まだ文章にはしてないとかって言うと、基本的には、ある契約が成立するためには、意思と意思が合致する ─ 合意が成立して初めて契約が成立するわけですね。 その代わり、逆に形式は問いません。だから、思い当たらないということは ─ 思い当たることがないといいましたよね ─ ということは、自分がそういうことをしたことはないということでしょうから、だから、たぶん契約は成立していないと思うんです。 それから、中にはごく一部ですが、こういう形式だけはダメですよっていうのもあります。が、それは殆どありません。ですから、要するに、意思と意思が合致したか否かが、契約が成立する大前提です。なお、例えばインターネット開くと、これ承諾しますか? しませんか? と出てきますね。小さい字で書いて。僕はあんなの読みません。どうせ向こうの会社の都合だけども、ただお金を払うとか払わないかとかっていうことについては、ちゃんと読んでから承諾するとか。それは、ちゃんとしてからでないとダメです。 質問は、インターネット上、なんか同意しますかって話じゃないかな? よく出てきますよね。僕なんて、読みもしないでクリックしますけどね。相談者の方も、どっかに書いてあるんじゃないかと思うんですが、何々を払わないと法的手段に訴えますよという文章をよく見ると、普通の人はそこでビックリするんですよ。 |
上柳 | 縁が無いことですからね。 |
白川 | ただ、法的手段に訴えるということは、別に慌てる事ではないんです。 |
上柳 | そうなんですか? |
白川 | 法的手段に訴えられない時が、かえって厄介なんですよ。例えば、ヤミ金なんていうのは、絶対そういうこと言いませんから。法的手段には訴えないんだけども、自宅に電話するとか、会社に電話するとか、あれは法的に訴えることじゃないでしょ。 |
上柳 | 表立ってじゃない、裏でプレッシャーかけるわけですね。その方が確かに嫌だね。 |
白川 | 法的手段に訴えるのは、裁判所から判断してもらい、裁判所の判決をもらって取りますよと言うのでしょうけど。 |
堀 | じゃあ、あのように書いてあるっていうのは、脅しじゃなくて、親切なんですね。 |
上柳 | 向こうは脅しだと思ってるんですけども、「いいよ、出るとこ出て第三者の裁判官に見てもらいましょ!」ということなんですね。 |
白川 | 例えば、サラ金から昔の違法金利がありましたよね。高い金額、請求されているわけですよ。しかし、訴えられたという事で、裁判所は違法金利を自動的にカットして、計算し直しますから。そうするとあれ? 50万請求してたのに、裁判所から来たのは「30万払えとか15万払え!」と言ってるんですよ。裁判所は、法的になじまないものはカットします。だから、そんなに法的手段に訴えるということは、怖がらないで下さいということです。 |
上柳 | 向こうは怖がらそうと思ってるんだけども、「いいよ、法により、裁判官ところで」と言えると。 |
白川 | ただ、出てくださいね、裁判には。欠席裁判になっちゃいますから。 |
上柳 | なるほど。お時間になりました。来週も宜しくお願いします。白川勝彦弁護士でした。どうもありがとうございました。 |
白川 | どうも失礼しました。宜しくどうぞ。 |
堀・増山 | ありがとうございました。 |
上柳昌彦氏・ 増山さやか氏 = ニッポン放送アナウンサー / 堀ちえみ氏 = タレント曜日パートナー (文中敬称略) | 第21回 | TOP[t] | 第23回