危機と政治
08年11月21日
No.997
全国的に寒くなったようである。あちこちで雪が降っている。東京の朝は寒いが、晴れの日が続いている。小春日和というやつだ。日差しがちゃんとあれば、そんなに寒いことはない。私が育った新潟県では小春日和など滅多になかった。最近では“裏日本”と言わなくなったが、天候に関しては新潟県は完全に“裏”であった。冬の新潟は本当に晴れの日が少ないのだ。最近では天候だけが裏でない。地方経済の疲弊は酷いのである。
永田町徒然草の読者の大半は、現役で仕事をしている人が多いと思われる。業種を問わず、景況は厳しいのであろう。日々の仕事に忙殺されていると思う。金曜日は週の仕事の締めの日である。こういう日はアクセスがかなり落ちる。ホームページのアクセス・カウンターを見ているといろいろなことが分かる。麻生首相の出鱈目さは、参議院選挙前の安倍首相に似てきた。その時は、永田町徒然草だけでなく私がフォローしている他のサイトのアクセスも増えていた。アクセス・カウンターを見ている限り、昨年の参議院選挙前ほど政治サイトは盛り上がっていない。私の気がかりのひとつである。
近いうちに解散はない状況である。それは確かなのだが、問題がない訳ではない。いや問題続出の日々である。政権崩壊というより“日本崩壊”という感すらする。こういう状況においては、国民は思索しなければならない。国民が主権者というならば、主権者は考えなければならない。わが国の主権者は果たして思索しているのだろうか。怒るだけではダメなのだ。日本丸の舵を握っている船長は眠っているのだ。何も見えなくなっているのだ。わが国の主権者は、船長に代わって舵を握り船の行く末を見定めなければならない状態なのである。勉強をしなければならないのである。
船の外は、暴風雨が荒れ狂っている。この嵐の中を航行し、これを乗り切らなければならないのだ。船の中にいる者が皆、力を合わせなければならないのだ。船長はこういう判断すらできない状態なのだ。乗客の命の危機を迫っているのに、せっかく船長になれたのだからといって洒落た船長服が気に入ったらしく舵を離そうとしない。このままでは船は遭難する。座礁か沈没かのどちらかだ。すでに座礁しているのかもしれない。大きな船が座礁した場合、船はダメになる。皆がヨイショと持ち上げ押し出せば、また乗れるというものではない。日本という国は、小さなボートではないのだ。
昨日の日経平均株価は-570円18銭、NYダウ平均は-444.99ドルであった。ひとつの節目である8000円・8000ドルを割り込んだ。私は今日の株価がどうなるか注目している。もし今日も大幅に下落するようならば、簡単に反発する力がなくなる虞さえ感じる。経済や株に門外漢の私ですら、いま必死に経済を勉強している。経済の不振・金融危機の原因の究明は、経済の“本当の専門家”にしてもらわなければならないが、対策を講ずるのは政治家である。危機において政治の本当の力が試される。危機的状況において行動できない政治家を政治家と呼ぶことはできないのだ。自公“合体”政権の“政治家”には、政治を語る資格などない。
それでは、また。