第4回連続世論調査の結果
08年11月13日
No.989
朝日新聞社の「総選挙に関する連続世論調査」の結果が11月11日『朝日新聞』朝刊に掲載されている。調査日は11月8・9日(土・日)だ。見出しは“給付金「不要な政策」63%”とあるが、こういうものに目を奪われないで基本的な数値をみてみよう。
まず内閣支持率の変化である。前者が福田内閣、後者は第1回~第3回の世論調査の麻生内閣の支持率である。
データ内容 | データ数値(以下同じ) |
---|---|
福田・麻生内閣の支持率 | 25→19→23→24%‥‥‥41→42→41→37% |
福田・麻生内閣の不支持率 | 60→65→59→58%‥‥‥42→38→38→41% |
内閣支持率のわずかな変化など私はあまり重視しない。従って支持率の4ポイントの下落はそれほど大したことだとは思わないが、支持率が-4ポイント不支持率+3ポイント、トータル7ポイントの変化は意味深である。調査日の11月8・9日2兆円ばら撒きの方法はまだハッキリとしていなかった。この数日の迷走ぶりは酷かった。結果もバカバカしい。第5回世論調査では麻生内閣の支持と不支持は、大きな事件がなければたぶん大きな変化が現れるであろう。
次に政党支持率の変化だ。
データ内容 | データ数値 |
---|---|
自民党支持率 | 26→22→22→26%‥‥‥33→30→32→30% |
民主党支持率 | 22→26→22→24%‥‥‥23→22→19→24% |
支持政党なし | 41→38→41→40%‥‥‥31→34→35→33% |
公明党支持率 | 4→3→4→2%‥‥‥4→4→4→4% |
共産党支持率 | 2→2→2→2%‥‥‥2→2→2→2% |
社民党支持率 | 1→1→1→1%‥‥‥1→1→1→1% |
他の政党支持率 | 0→0→0→0%‥‥‥0→0→0% |
私が政党支持率の変化で注目するのは、自民党支持率と民主党支持率と支持政党なしの数値である。その相互の関連性である。それ以外の政党支持率は変化があっても1ポイントもないのので、数値上はコメントできない。今回の調査で注目しなければならないのは、民主党支持率の23→22→19→24%で+5ポイント。自民党支持率は-2ポイント。支持政党なし-2ポイントである。2兆円ばら撒きという発想と一連のドタバタ劇で、自民党からは200万票が逃げ、民主党は500万票増えたと見ればよい。
前回からフォローすることにした「仮に、いま、総選挙の投票をするとしたら、比例区ではどの政党に投票したいと思いますか」をみると、上のことはだいたい頷ける筈である。共産党が+2ポイントである。公明党は+1ポイントだ。評判の悪い2兆円ばら撒きも、創価学会・公明党筋では“功徳・成果”と評価されているのだろうか。私たちはこういう現実も直視しなければならない。
データ内容 | データ数値 |
---|---|
自民党 | 32→30→32→30% |
民主党 | 34→32→30→33% |
答えない等 | 24→26→29→26% |
公明党 | 4→5→4→5% |
共産党 | 3→4→2→4% |
社民党 | 1→1→1→1% |
他の政党 | 0→0→0% |
第4回連続世論調査について言及すべきことは以上である。しかし、野党は浮かれてはならない。麻生内閣が誕生した10月4・5日(第1回)の水準に戻っただけなのだ。民主党の“柔軟路線”という失敗が、麻生首相の過ちによってチャラにされただけなのだ。敵失で辛うじて“健闘”しているに過ぎないのだ。相変らず風にのって飛ぶグライダーなのである。オンボロでも好い。自分のプロペラで風に向かっても飛べる飛行機でなければならない。
それでは、また。