安保闘争を上回る政治戦!!
07年10月05日
No.571
2日間、飛び飛びではあるが福田首相の所信表明演説に対する代表質問を聴いた。正直にいって、あまり面白くはなかった。福田首相の答弁が面白くないのは当然のことであるが、代表質問の方ももう少し工夫があってもよかったのではないか。この臨時国会は特別な国会である。もっと政治的に突っ込んだ質問をすべきではなかったのか。例えば、福田内閣の発足に先立って自民党は公明党と連立協議をした。私が永田町徒然草No.566で述べたようにいったい何のための連立の継続なのか、というようなことを訊いてもよかったのではないだろうか。
また昨日述べたような日米同盟や拉致問題と核問題の解決の手法などもまさに政治的な質問である。こういう質問は政治家でないと答えることはできない。そうすれば、福田首相の政治的考えや資質がはっきりと判るであろう。いつもいっているように政策的問題ならば、官僚がしっかりとフォローするのである。いや正確にいえば、官僚が考えた政策の上に乗っかっているのが自公“合体”政権なのである。予算委員会やテロ対策立法のために設置されるであろう委員会における質の高い政治的質問に期待したい。
私は昨日の永田町徒然草で「3分の2条項の発動を阻止できるのは、国民の政治的力だけである。1960年(昭和35年)の安保闘争を上回るような“政治戦”だけがそれを可能にする。具体的状況の中で、どのような政治戦を行えばこれを阻止できるのか、具体的に分析した戦いを行わなければならない」と書いた。一口に“安保闘争を上回るような政治戦”いうが、それは並大抵のことではない。私は1960年にはまだ中学3年生だった。十日町市という新潟県の田舎に住んでいたので、安保闘争といっても肌感覚を伴う認識がない。野党はこの際安保闘争を実際に知っている人々の話を訊いた方がいい。
私はこの政治戦でインターネットが大きな役割を果たせるような気がする。インターネットの政治物をそれなりに見ているが、かなり幅広いものがあるように思う。既成のメディアは、敵対することはあっても今回の戦いには役には立たないであろう。国民がそれぞれの立場で発信する情報や意見が政治を動かすことは十分可能である。しかし、インターネットだけでは大きな政治戦はできない。インターネットは情報を伝える手段でしかない。私たちは教科書検定をめぐる今回の沖縄の大集会を見習わなければならない。今回集会やデモなどの呼びかけがあれば私は参加するつもりである。
それでは、また明日。