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安倍内閣不信任選挙!

07年07月10日

No.483

赤城農水大臣の事務所費問題がクローズアップされてきた。この問題をめぐる政府・与党の対応をみていると、彼らは“バカ”なのではないかという気がする。年金問題をめぐっても同じような気がする。彼らに政府・与党としてのガバナビリティがあるのかというという疑問が沸いてくる。国政選挙でいちばん問われるのは、実はこのガバナビリティなのである。個々のイッシュー(問題)ではないのである。個々のイッシュー、例えば消費税の導入が争点の時の方が事態は深刻ではないのである。

まず赤城大臣の事務所費問題の方から述べよう。赤城大臣が任命されたのは、松岡前大臣が自殺したからである。松岡大臣の自殺の原因として、事務所費問題があったと多くの国民は思っている。そうであるならば、他の点はどうでもいいとはいわないが、その後任に同じような問題があっては絶対にならない。これは単純な常識である。こんな単純なことが分からなくて、政治を預かる資格があるといえるのかといいたい。

しかし、迂闊にも事務所費問題が発覚してしまった。次の問われるのが、その処理方法である。誰が入知恵をしたのかわからないが、松岡大臣のときと同じ手法で乗り切ろうとしている。そこのところが私には理解できない。なぜ「法律に則って、適正に処理している。違法なことはしていない」といういい方をするのだろうか?政治資金規正法の趣旨をまったく理解していないとしかいいようがない。だから、このようなトンチンカンな対応をしてしまうのである。普通の人は事務所費というと狭義の意味での事務所経費と考えるであろう。松岡大臣の光熱水費は、ナントカ還元水を持ち出してもそもそも釈明が無理だったのである。事務所費はそれとは違うのである。

これ以上いうと彼らに助け舟を出すことになるのであえて控える。以上述べたふたつの点は、安倍首相に危機管理能力がないことを露呈してしまったのである。危機管理能力がないということは、政権担当能力がないということなのである。北朝鮮の危機やテロの危険性を煽るのが安倍内閣の特徴だ。しかし、赤城大臣の事務所費問題ひとつを処理できない安倍首相に、本当の危機管理能力がある筈がない。数日前、10万円支払わなければならなかったのだが、10万円以上は銀行振り込みできなかったので、9万9000円だけ振り込んで1000円まけてもらった。テロ対策の規制のためである。

年金問題の処理も危機管理能力がないことを露呈している。5000万件もの宙に浮いた年金記録の帰属先を1年以内に確定することなどできる筈がない。安倍首相はこれを来年3月までに前倒しでやるとやるといい出した。あと8ヶ月しかないのである。そもそも5000万件の年金記録は、これまで基礎年金番号を保有している誰かに帰属させようとしてもできなかった記録(データ)なのであろう。加入期間が満たされないために年金の支給に結びつかない記録もあるだろうし、保険料を支払った人が既に死亡しており年金の支払いに直接関係しない記録(遺族年金の支払い義務がある場合はこれに含まれない)も多くあるだろう。

こういうデータを事務的にどう処理するかというガイドラインをキチンと決めておかなかったから、事務的に処理できないデータが5000万件も残ってしまったのだ。これは事務方の責任ではない。このようなデータをどう処理するかということを決めなかったトップの責任である。トップとは政治家である。だから5000万件の宙に浮いた年金記録の責任は政治家にあるのであって、社会保険庁の職員の責任ではない。ましてや職員組合の責任などというのは、お門違いもいいところだ

では、どうしたら良いのか。こちらの方は、もう全部いってもいいだろう。基礎年金番号をもっているすべて人に、現在社会保険庁がもっている年金記録を送付することなのである。特に年金の納付に欠落がある人についてはそのことを明示して送ることなのである。年金保険料の納付に欠落がある人がそんなことはないといってきたら、その人と一緒になって5000万件の中からその人のデータを探せばいいのである。多分大多数の人々の場合、年金保険料の納付に欠落はないであろう。

そうすれば、その人たちの年金不安は解消するのだから、選挙にとってもプラスとなったであろう。こんな単純なことがなぜ分からないのだろうか。5000万件の宙に浮いた年金記録が発覚してからも、安倍首相や柳沢厚生労働大臣や党幹部が自分の頭で考えないからこうなるのである。5000万件もの宙に浮いた年金記録があるといわれたら多くの人々が、自分の年金記録がその中にあるかもしれないと思うのは当然である。それは、事務的な問題でなく政治的な問題なのである。政治的な問題は、政治的に解決するしかない。そのような発想ができるのが、真の政治家なのである

民主制とは、被統治者の同意のある統治ということである。この原則に立って考えることが大切なのである。しかも年金記録は、個人の財産権にも関係する問題である。だから、国民の協力も期待できるのである。だとしたら、まず社会保険庁がもっている一人ひとりの年金記録を各人に示すことが大切なのである。それで間違いないことを確認した人は、納得する。安心する。それが「被統治者の同意」ということなのである。もちろん年金記録を送ったために、こんなことはないという人も出てくるであろう。そのことは覚悟しなければならない。しかし、5000万件もの宙に浮いた年金記録があることが判明した時点で、そんなお叱りやクレームは覚悟しておかなければならないのだ。

基礎年金番号をもったすべての人に年金記録を送付するということに積極的でなかったのは、社会保険庁の役人であろう。年金記録に不備のある方々から、お叱りやクレームを突きつけられるからである。そういうことを嫌うのは、役人の通弊である。しかし、いずれそのことは覚悟しなければならないのである。5000万件の中からその人の年金記録をピックアップするためには、保険料納付に欠落があると主張する人々の協力を得ることは絶対に不可欠であろう。5000万件の宙に浮いた年金記録は、すでにデジタル化されているのである。コンピュータ上のデジタル情報だけでは、突合できなかったのであるからデジタル情報以外の情報を加味して検索するしかないのである。それでも探しだすことができなかった時、どうするか。それを決めるのも、また政治家の仕事である。

右翼反動は、秩序維持や危機管理は権力がやるものと考える。官僚も同じように考える。しかし、権力の力だけで秩序維持や危機管理ができる訳がない。権力の力だけでそれをやろうとすると莫大な費用がかかる。原点に立って考えれば、秩序維持も危機管理も国民のために行うものである。そうだとしたら、秩序維持や危機管理に国民の協力を得ることは十分に期待できるのである。そのためには、権力に対する国民の信頼がなければならない。私は国家公安委員長のとき、機会ある毎に「国民から信頼される警察たれ」と訓示した。国民から信頼される警察でなければ、強い警察になることは不可能なのだ。

以上を要するとどういうことになるか。安倍首相には、統治能力も危機管理能力もないということなのである。社民党の福島みずほ党首が訥々と主張しているが、今度の参議院選挙は「安倍内閣不信任選挙」というのがいちばんピッタリとしているいように思われる。まあ、ネーミングの方はいいとして、安倍内閣に統治能力や危機管理能力がないことは、どんどん指摘していかなければならない。そういう雰囲気が強まる中で、刻一刻と参議院選挙の公示が近づいてくる。

それでは、また明日。

  • 07年07月10日 02時27分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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