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“自虐的”な対米従属

07年07月04日

No.477

「安倍首相としては、こういうおかしな歴史認識をもっている防衛大臣は即刻罷免すべきであろう。久間防衛大臣に政治的センスがあれば、即刻辞任すべきである」と私は昨日述べた。久間防衛大臣が昨日の午後辞任した。後任には小池百合子衆議院議員を任命した。安倍首相や自公“合体”政権は、女性初の防衛大臣の起用で今回の火消しをしたいのだろう。だがこんなことで今回の件を許してはならない。池に落ちた犬は徹底的に叩け!である。

野党はよく「任命責任を問う」という。このことが私にはよく分からない。おかしな大臣を任命した責任ということなのであろうが、政治家に対する人物調査や思想傾向を見極めるということはそんなに簡単にできるのだろうか。論点は、実際に起こった事実にそくして責任を追及することが大切なのであろう。今回の問題点は、まず安倍首相が“即刻”罷免しなかったことである。即刻罷免しなかったということは、久間防衛大臣の原爆発言をある意味で許容したことなのである。第二は、やはり「綸言汗の如し」という点であろう。

久間防衛大臣が即刻辞任を表明したとしても、問題によっては辞表を受け取らずに罷免することもあり得るのである。日本人的な感覚ではちょっと理解しがたいところなのであるが、ここのところが今回の件の本質である。安倍首相が久間防衛大臣の発言をどのように捉えたかということが徹底的に問わなければならない。防衛の最高の責任者は、政治的にも法律上も総理大臣なのである。久間防衛大臣を官邸に呼んで“厳重注意”した後の安倍首相の発言は、問題の所在を理解していたとは到底思われない。だから、罷免をしなかったのだし、辞任も求めなかったのである。

もうひとつは、安倍首相自身の発言を追及することである。アメリカの広島・長崎への原爆投下を安倍首相がどう考えているかである。またこれに関連して、現在安倍首相が進めている集団的自衛権行使容認の策動を追及することである。今朝のニュースで、安倍首相自身も「私の任命責任は痛感しているが、改革を進めていくことによってその責任を果たしたい」などとまったく意味不明な発言していた。その改革の中には、きっと集団的自衛権の見直しも入っているのだろう

小泉・安倍内閣ほど従米的な内閣はなかった。その典型が集団的自衛権に関する政府統一見解の見直しなのである。万事において従米的な路線を当然のこととしている内閣だからこそ、久間防衛大臣の原爆発言が出たのである。問われなければならないのは、その路線なのである。アメリカを批判することなど、日米同盟と気軽に叫ぶ自公“合体”政権の閣僚や与党議員には、いまやまったく許されないことなのである。しかし、アメリカではいまでも“リメンバー・パールハーバー”は繰り返されている

「 いかに友好関係にあろうが、過去のことは歴史の現実としてシッカリと認識しておかなければならない」のである。日中友好関係がいかに進んでも、中国は今後とも日本の中国侵略のことをいい続けるであろう。韓国も北朝鮮も、今後とも36年間の植民地支配のことをいい続けるであろう。歴史の事実はそれだけ重いのである。安倍首相の歴史認識には、そういうものがないのである。そのような歴史をキチンと踏まえることを“自虐史観”といって嘲笑してきたのである。それが安倍首相を頂点としているわが国の右翼反動の歴史認識である。そしてアメリカだけには、“自虐的”に追従するのである。反吐を覚えるときさえある。

いつも述べているように、政権を本気で追及するためには首相自身をターゲットに据えて攻めたてなければならない。以上のように考えれば、今回の件は絶好の材料を安倍首相自身が与えてくれたのである。野党はこれを見逃してはならない。また全国で戦っている野党の候補者は、徹底的にこのことを訴えなければならない。日本人的には、久間防衛大臣が辞任したのだからもうこの問題はいいのではないかということになる。しかし、問題を掘り下げれば、簡単に許してはならない問題なのである。もう一度いう。

「政権を本気で追及するためには首相自身をターゲットに据えて攻めなければならない。そして、池に落ちた犬は徹底的に叩け!」 

  • 07年07月04日 07時35分AM 掲載
  • 分類: 2.国内政治

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