“腹心の友" 加計学園問題の核心
17年06月01日
No.1910
前号の永田町徒然草に、望外の“いいね”を頂いた。久しぶりの長さだったので、お見舞いの意味もあったのだろう(笑)。体調の方は、まだ本物ではない。間もなく72歳になるのだから、仕方がない。焦らずに静養するつもりでいる。「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」(永田町徒然草No.1904参照)の思いを、改めて強くしている。
ところで、このところ毎日、加計学園問題が報じられている。私に言わせれば、それらの報道や解説はどれも頓珍漢に思えるが、官邸が必死に圧を懸けているのだから、まぁ良しとするか。官邸と自民党の加計学園問題に対する対応は、完全に狂っている。自民党と官邸は、もう高度な政治的対応ができなくなっている。それは、外交問題や国政上の問題でも明らかだ。詳細は、言うまでもないだろう。
私たち政治家は、人間関係を大切にする。特に友人関係においては、そうだ。“親友”、“肝胆相照らす友”、“畏友”や“刎頚の友”等々、いろいろと表現に気を遣う。しかし、“腹心の部下”とはよく言うが、“腹心の友”という表現を、私はあまり聞いたことがない。
そこで、広辞苑で調べた。【腹心】「1 はらとむね 2 こころのおくそこ。考えの底。 3 どんな秘事でも打ち明けて相談できる者」とある。やはり、“腹心の友”という用例は、なかった。まぁ、「どんな秘事でも打ち明けて相談できる友」ということなのだろう。安倍首相と加計孝太郎加計学園理事長は、どんな秘事でも打ち明けて相談できる友達なのである。
加計学園の今治市における獣医学部新設に安倍首相が圧力を掛けたかどうかなど、そもそも、検証の余地のないことなのである。加計孝太郎氏とは“腹心の友”だと言ったのは、安倍首相自身なのである。「加計孝太郎氏から獣医学部の新設を頼まれたことなど一切ない」と証明しなければならないのは、安倍首相自身なのである。それは、無理だろう。
▲都知事選で街頭演説中の小池百合子氏と若狭勝氏
ところで今日、小池百合子都知事が自民党に離党届を提出した。小池百合子氏の後釜として東京都10区から当選した若狭勝衆議院議員も、昨日離党届を提出した。これまで私は、小池東京都知事のこうした“いい加減な態度”を批判していた。政治の世界では、大事なところの“いい加減さ”は許されないのだ。今回のことは、自民党にとっても小池都知事にとっても、意外に大きな影響を及ぼすぞ。
まぁ、加計学園問題を中心に、政治は大きく動く。今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。