憲法軽視の輩が、暴走する日本。
16年04月09日
No.1821
昨日と今日の深夜から朝にかけて、テレビ朝日で放映されているマスターズを見た。松山英樹が、首位と3打差で健闘している。私も、30代から50過ぎまでへぼゴルフをやっていたので、マスターズと全英オープンは必ず、その中継を見る。これまでにも、活躍した日本人ゴルファーもいたが、松山は、いままでのそれとは趣が異なり、最初から優勝に絡むゴルファーとして出場している。
マスターズのことだから、もちろん決勝ラウンドで何が起こるか分からない。しかし、ひょっとしたら優勝するかもしれないという、楽しみを感じさせるゴルファーだ。テニスの錦織の方は、掛け声ばかりで、ジョコビッチに歯が立たない。硬式テニスも、司法修習生の時に友達に誘われて、2年間くらいやったことがあるので、見るのは好きだ。だから、ウインブルドンの時期になると、私は寝不足となってしまう(笑)。
昨晩は、NHKで放映していたリオ・オリンピック水泳選考会を見た。北島康介選手の結果を見たかったからである。結果は、残念ながら5位であり、オリンピック5回連続出場は叶わず、現役引退を表明した。北島選手は、オリンピックの平泳ぎ100mと200mで、連続優勝という偉業を成し遂げた。北島選手の祖父が新潟県上越市出身であることと、私が高校生の頃に平泳ぎが得意だったので、北島選手がリオに行けるのかどうかが気になっていたのだ。北島選手が、日本水泳のトップで長い間活躍してくれたことに、心からエールを送る。
何か、スポーツ漬けのオジサンのように思われるかもしれないが、これはあくまで、私のささやかな楽しみに過ぎない。気になっているのはいつも、政治のことである。しかし、報道ステーションとNEWS23に変更があったので、どうもいままでと勝手が違う。報道ステーションは、月曜日から放映される。NEWS23の方は、これまでのような報道番組としての緊張感と問題意識がないような気がする。この2番組については、別に述べたいと思っている。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する各国首脳の集い
(左より)日本、ベトナム、オーストラリア、チリ、シンガポール、
アメリカ合衆国、ニュージーランド、ブルネイ、ペルー、マレーシア。
このうちチリ、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイは締結済み、
他は参加交渉段階。
2010年11月14日
By Gobierno de Chile (14.11.2010 Gira a Asia)
[CC BY 2.0], via Wikimedia Commons
いよいよ、TPPの批准を巡る国会審議が始まった。安保法制に関することならば、勉強するまでもなく、私の考えは最初から決まっていた。しかし、TPPについては、専門家でないのであまり詳しくない。もちろん、TPPに関する記事があれば、ひと通りは読んだつもりだが、賛成だとか反対だとか、決定付ける記事や意見に接しなかった。だから、この永田町徒然草でも、私は意見を開陳してこなかった。
厄介だが、TPPに関する勉強をして、私の態度も決めなければならない。こういう問題は、どうしても損得勘定が伴って、意見が分かれるものである。そこを、説得力をもって論述するところが“政治力”なのだが、賛成する側にも反対する側にも、あまり論者がいないようだ。そんな中で、黒塗り文書と西川公也TPP特別委員長の暴露本が、問題になっている。TPP自体が、何となく胡散臭い感じがしてきた。
昨日、TPP特別委員会の審議がテレビ中継されていたが、気の抜けたような石原TPP担当大臣の答弁と、西川委員長の高圧的発言が印象付けられた。民進党の委員は全員で委員会を退席したが、これから先をどうするつもりなのであろうか。反対なら反対で、徹底的に闘うしかなかろう。しかし、闘い方が問題なのだ。その時の政治的な説得力が大事なのだ。
TPPの最大の問題は、どうも、ISD条項にあるような気がする。ISD条項とは、投資家対国家間の紛争解決条項といわれる。日本に投資している外国の企業が、日本の法律・裁判・行政によって被害をうけたと判断した時には、日本の司法に救済を求めるのでなく、国際仲裁裁判所に訴えることが出来るという制度である。
国際仲裁裁判所の判断においては、日本の法律や裁判や行政判断が、健康・生命への配慮・地域の発展・労働者の保護という広い社会的正義と必要性判断に基づくものであることへの配慮が全くなされず、専ら、投資家企業に害を与えたか否かの論点のみで判断されるというのだ。そうなると、憲法や法律に基づかず紛争が解決されることになり、憲法81条に違反する惧れが出てくる。ここでも、やはり憲法違反の問題が重要な論点となるのだ。
先週の永田町徒然草「狂暴な安倍政治が迷走する」で述べたように、安倍首相とその仲間は、憲法違反など最初から“平気の平左”なのだ。権力者にとって、憲法がいちばん怖いのである。しかし、憲法何するものぞという
それにしても、最近のニュース報道は、明らかにおかしい。一つは、鹿児島県における自衛隊機の事故が起こった日のニュースの扱いである。私は防衛族でなかったので、こういう問題には疎い。しかし、6人の乗った自衛隊機に事故があったのならば、それは非常に大事なことだと思う。バトミントン選手のバカラ賭博とリオ・オリンピックへの出場停止や、春の嵐で桜が散ったとかというニュースよりも、はるかに優先順位が高いと思う。
U-125飛行点検機(同型機)
この事故については、自衛隊の発表もお粗末だった。事故のあった翌日の午後2時頃に第一報が入ってきたが、最初は、6人全員が心肺停止という発表だった。夕方のニュースでは、4人が心肺停止、その翌日になっても、4人の容態は依然として“心肺停止”だった。自衛隊には医官もいるし、捜索には、当然のことながら医官も参加する筈である。だとしたならば、半日以上経っても心肺停止という発表はないだろう。こういうこと全部を含め、このニュースの扱いの優先順位が3番目とか4番目ということはないだろうと、私は言っているのだ。
円高株安の流れが止まらない。今後どうなるかは、相場のことであるから誰も分からない。「相場のことは、相場に聞け」と言われるのだ。だから、政府や政治家は、株や為替のことを軽々に言ってはならないのである。安倍首相は、その基本原則がまったく分かっていないのだ。真逆である。多々弁じている。かなりの国民は、安倍首相が景気を良くしてくれたと思っている。安倍内閣の支持率が高いのは、そのせいであろう。もういい加減、国民は正気に戻らなくてはダメだ。
4月24日、衆議院北海道5区と衆議院京都3区の補欠選挙が行われる。特に、北海道5区が大事である。野党共闘候補はかなり善戦しているようだが、選挙は勝つまで分からない。野党全党、全力を北海道5区の補欠選挙に傾注して貰いたい。ひとつの選挙区の勝敗が、これからのすべての選挙の帰趨を決めるのである。。自民党総務局長時代、参議院選挙であったが、私は、いくつかそういう経験をした。そう決めた選挙では、自民党の総力を結集して、勝てた。それが、平成8年の総選挙の勝利に繋がった。
凶暴な安倍首相が、迷走しながら暴走している。その行きつく先は、もちろん“おジャン”である。国民は、バカでない。多くの国民が何となく、そうした気配を感じ始めている。だから、落ち込む必要など微塵もない。国民を信じて、戦うしかないのだ。勝利の道は、必ず開けてくる。不屈の闘志が、いま、求められているのだ。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。