覆水を盆に還す !?
10年01月19日
No.1397
ニュース報道番組は連日“小沢プロブレム”を報じている。小沢氏の元秘書たちが逮捕された被疑事実は、政治資金規正法違反である。政治資金規正法違反被疑事実のほとんどは、おカネの動きと政治資金報告書の乖離が問題となる。おカネの出処や性格が問題になることは、ほとんどない。そう考えたとき、いま騒がれている“小沢プロブレム”の原点はどこにあるのだろうか。この点について、2007年の通常国会で松岡農水大臣の“何とか水”が問題になったとき、永田町徒然草No.363「水が火を噴いている」で、私は次のように書いておいた。
一方、小沢一郎民主党代表の政治団体の場合は、松岡氏の場合の逆である。事実はあり、それに関する領収書もあるのだが、事実そのものについての国民の評判はすこぶる芳しくないのだ。政治資金規正法に違反している訳ではないが、事実に対する評価が小沢氏にとって厳しいのだから、それを避けたかったら事実そのものを修正すればいいのだ。
秘書の家賃負担を軽減するなどの目的で不動産を買ったそうだが、秘書には住居手当をちゃんと払うことにして、購入した不動産を売却してその代金を政治団体の収入とすればいいだけのことなのである。政治資金規正法は不適切な政治資金の使い方を罰しようという法律ではないのだ。政治資金の使い方を明らかにすることにより、その政治家や政治団体の評価を国民から適切にしてもらうことにあるのだ。覆水は盆に還らない場合もあるが、小沢氏の場合は元の状態に戻せるのだ。事実を修正するしか国民の理解を得ることはなかなか難しいのではないか
引用した文章で指摘している小沢氏の案件とは、今回の土地購入問題である。当時も、政治資金で土地を購入することの是非を多くの人が問題にしていたが、当時の小沢氏はその是非について一切言及していなかったので、そのことが問題なのだと、私は指摘しておいたのだ。私の指摘した点を小沢氏が真摯に考えていたならば、現在のような問題にはならなかったであろう。少し長いが永田町徒然草No.363「水が火を噴いている」をお読みいただければ幸いである。小沢プロブレムをどう考えたらよいかの参考になるはずである。
それでは、また。