都議選の最終日
09年07月11日
No.1223
今日は都議選の最終日である。今回の都議選ほど、国政に直結する選挙はないであろう。この1ヶ月近くの間、都議選と解散がこれだけ取沙汰されれば、誰だって衆議院選を意識して投票せざるを得ない。「都議選といえども、所詮は地方選である。これによって国政が左右されることはない」と麻生首相はいう。しかし、今回の都議選を最初に煽ったのは、他ならぬ麻生首相その人だった…。
d衆議院選の前哨戦といわれる選挙は、いつもある。この半年間、いろいろな選挙が来るべき総選挙の前哨戦といわれてきた。都議選の有権者は、全国民の約1割。ひとつの地方選挙としては、規模としてはもちろん最大である。地域密着性はあることはあるが、東京都という地方自治体は、住民にそれほど密着した存在ではない。俗な言葉でいうところの“浮動票”が多い。今回の都議選では、来るべき総選挙を視野に入れての投票行動は避けられない。
ところが中選挙区制で行われる都議選は、一般的にいえば劇的な議席数の変化が起こりにくい選挙なのだ。具体的にいうと、都議選の選挙区は、1人区が7、2人区が16、3人区以上が19選挙区である。本当に中選挙区といえる3人区以上の選挙区は全体の半分もないのだ。これまで自民党が強かった1人区で、今回は民主党が強いと思う。ほとんどの2人区では、自民党と民主党が住み分けてきた。参議院の選挙と同じだ。ここで自民党候補が弾き飛ばされるようなことがあれば、劇的な変化が起こるのだが……。
選挙前の公明党の23議席・共産党の12議席は、たぶん3人区以上で当選していた筈である。中選挙区における当選者の数の変化も重要である。都議会選挙で強いといわれている公明党が23議席を維持できるかどうかがひとつの焦点であろう。前回の都議選の投票率は43.99%だった。投票率が高くなれば、公明党は厳しくなる。民主党の2番手の候補・共産党や生活者ネットや社民党の当選者が増えて、その結果自民党か公明党の候補が弾き飛ばされる可能性が出てくる。
このように具体的に細かく見てみると、都議選で民主党などの野党が大勝利することは非常に難しいのだ。しかし、日本中の人々が明日の都議選を見守っている。賢明で知恵のある東京都民は劇的な選挙結果を出してくれる、と私は期待している。毛沢東ではないが、“農村から都市へ”という働き掛けも相当に期待できる選挙ではないのか。いずれにせよ、明日の都議選の結果はきわめて重要である。
それでは、また。