解散の予想屋!?
09年06月29日
No.1211
昨日も自公“合体”政権のふたりの政治家が解散について発言した。そして例によってマスコミがこれを大きく報じていた。ひとりは細田自民党幹事長である。もうひとりは大島自民党国会対策委員長である。両人とも、解散問題などではまさに責任者である。昔なら自民党の幹事長や国会対策委員長が解散の時期について発言すれば、それで決まりだった。今度はどうか。
細田幹事長は、NHKの日曜討論で“遠くない日”について説明した。前日に麻生首相と会談し、麻生首相に発言の趣旨を質したのだという。「麻生首相は、1ヶ月後も2ヶ月後もそんなに変わりはないから“遠くない日”と言ったに過ぎないのだ」と解説した。各メディアはこの発言を捉え、都議選前などの解散を否定したと報じた。
いっぽう大島国会対策委員長は、「麻生首相はサミット出発直前かサミットから帰国直後に解散する」と発言した。こうなると7月6日か7月10日に解散ということになる。細田幹事長の発言とは著しく異なることになる。私はふたりの発言の趣旨が違うという日本語の解説をしているのであって、実際に解散がいつ行われるかという解説をしている訳ではない。
「サミット前後すなわち都議選前に解散しようが、あるいはそれ以後に解散しようが、“そんなに変わりはない”」というのが、私の政治的な解説である。大島国会対策委員長は役職柄テレビに出演した際、解散は内閣総理大臣の専権事項と大袈裟に発言してきた御仁だ。その御仁が“サミットに出発にする直前あるいはサミットから帰国直後”のどちらかに解散すると発言することは、内閣総理大臣の大権を侵しているのではないか。昔ならば“統帥権”の侵犯ということで国賊ものだ。
政治家や政治評論家は解散時期の予想屋ではない、というのが私の自論である。どのような理由でいかなる過程で解散に至るのかが重要なのだ。そのことを予想し解説してみせるのが、プロの政治家や政治評論家の仕事である。もっとも適齢期をとっくに過ぎた解散総選挙の時期を云々することなど、本当はもうどうでもよいことなのだが…。
そんなことより6月28日投開票された横須賀市長選で、若い無所属の新人が自民・公明・民主党推薦の2期目に挑戦する現職候補を破って当選したことに私は興味をそそられる。2期目に挑戦する現職市長というのは、選挙的にはいちばん強い候補といわれている。小泉元首相も一生懸命に応援したという。当選した候補者は元市会議員というが、これは明らかに“異変”だ。300の小選挙区でこのような“異変”を起こすのが民衆革命なのである。
それでは、また。