とかく役人という奴は…
09年02月22日
No.1090
asahi.comを見ていたら、“こりゃ、何だ!?”という記事があった。まずはご覧いただきたい。
募集1千戸、入居は2戸だけ
――失職者への国の官舎提供職を失った人たちへの緊急支援策として、国が昨年末から貸し出しを始めた国家公務員宿舎の空き家が埋まらない。募集枠は1千戸以上あるのに、発表から2カ月近くたった17日現在、財務省に入居の報告があったのは全国で2戸だけ。貸し出しからトラブル対処まで、自治体に国が丸投げしたことが理由だ。
国家公務員宿舎は全国に約22万5千戸ある。このうち入居者がなく一定期間貸し出せる部屋の情報を、財務、国土交通、厚生労働省などが地元の自治体に提供。自治体が了解すれば国と賃貸契約を結んで入居希望者に貸し出す仕組みだ。昨年12月に開始した。安いところでは月3千~4千円程度と公務員と同額の格安家賃で借りられる。
ところが、つくば市を中心に県内で約190戸の空き部屋情報を連絡された茨城県は、いまも募集を始めていない。国がすべての物件について「入居期間中の家賃は原則として一括で地元の自治体が前納する」「問題があった場合は自治体が責任をとって対応する」というルールを決めているからだ。
県政策審議室は財務省に改善を求めたが、なしのつぶて。「それなら県営住宅の空き家へ入居させる方が融通がきく」と今後も国の募集をする予定はないという。
空き家5戸が市内にあると知らされた東京都東久留米市も年明け早々財務省に断りの電話を入れた。
そもそも同市には市営住宅がなく「担当部署すらない」と市企画調整課。「提供するなら、自治体の実情を知ってからにしてほしい」
入居者を募集したり募集を公表したりしていない自治体は他にも、北海道帯広市、青森県八戸市、山形市、神奈川県茅ケ崎市、高知市、鹿児島市……と全国にわたる。
唯一、入居を決めたのは愛媛県新居浜市。市が予算をかき集め、今年度分の家賃計5万円を入居者2人にかわって一時的に支払うことで、壁を乗り越えた。2人は寮付きの派遣契約を更新されずに、住む家がなくなっていた。「職と住に困っている人に、いきなり前納しろといっても、無理な話だ」と市担当者。
財務省国有財産調整課によると、宿舎は国家公務員宿舎法などに基づいて運営されている。「今回は臨時に自治体へ提供する形にしており、家賃の支払い方法や入居者への対応で例外を認めてしまうと、現に住んでいる公務員と違う条件になってしまう」と取り扱いを変える考えがないことを強調している。(川崎紀夫)<2009年2月21日23時14分>
“職を失った人たちへの緊急支援策”として、国が国家公務員宿舎の空き家の貸し出しを決めたことは結構なことである。それにしても…、である。国の言い分が正しいのか。それとも地方自治体の言い分に理があるのか。“どっちもどっち”というのが国民の思いであろう。役人という奴は、上も下もこんなものである。これは国民の常識である。
そうすると問題は、役人を使って行政を行っている政治家の責任だ。自民党と公明党は“責任ある与党、与党”というが、役人を使いこなす能力がないことを如実に示している。野党は派遣切りの問題を追及してきた。その追及の中から国家公務員宿舎を貸し出すことになったのであろう。野党は大きな成果と思ったのであろうが、役人に任せておくとこういうことになるのである。官僚任せでない政治・行政を訴える民主党は、この事態をどうするのか。注目したい。
それでは、また。