政権構想という甘い囁き
09年01月07日
No.1044
定額給付金を高額所得者にも支給すべきだどうかでまた政府与党が迷走を始めてる。原理原則がないからこうなってしまうのだ。そもそも定額給付金などという愚策は公明党・創価学会が言い出したものである。だったら公明党・創価学会のいう通りにすればよいのではないか(笑)。ただし、そのことをハッキリと白状した上で……。
小沢流改革、霞が関注視
先月26日。小沢は東京都内の個人事務所で、信頼を寄せる政治学者と向き合い、政権についた後の「政治の仕組み」について意見交換した。学者は「政権構想の準備を進めた方がいい」と説いた。政権交代の現実味が増してきた今こそ、「官僚主導を政治主導に変える」と主張してきた小沢が処方箋(せん)を示すべきだというのだ。
だが、小沢は慎重だった。「どんな形で公表するのがいいのか。捕らぬタヌキの皮算用じゃないが、『政権取ってもいないのに何だ』ということにもなるしな……」
報道各社の世論調査で、麻生内閣支持率は2割前後に低迷。「首相にふさわしい人」でも小沢が麻生を上回った。次期総選挙での投票先も民主党が差を広げている。霞が関もそんな潮目を感じ取り、「小沢政権」を意識し始めた。
麻生政権の迷走に振り回された財務省幹部は「『おれたちの言うことを聞いておけばこうならなかったのに』と思いながら泥船を必死にこいでいるが、一緒に沈むんだろう」と自嘲(じちょう)し、こう付け加えた。「民主党もおれたちを使わないとやっていけないよ」
構想の検討に入った小沢のもとに、閣僚の首相官邸への常駐、各省設置法廃止や予算編成機能の官邸集中といった案が専門家らから続々寄せられる。政治改革の旗を掲げて20年。小沢は、どう政治を再生するのか。「政権構想」の模索が始まった。(敬称略)
asahi.comの2009年1月7日3時2分付記事からの引用である。一部引用といっても記事のほとんどである。大した記事ではないようだが、実は重要な問題を含んでいる。政権構想という言葉は政治家の心を揺さぶるものである。自公"合体"体制側の国会議員や評論家は「民主党(あるいは野党)には政権の全体像がないではないか」とよくいう。国家像とか国益という言葉もよく使う。だがこんなものに引かってはいけない。
小沢氏はかつて『日本改造論』という著書を出版した。ベストセラーになった。細川連立政権下で官僚たちも競って読んだ。『日本改造論』は若手官僚たちが書いたものとの噂もあった。若手官僚たちが“官僚主導から政治主導の政治”とは噴飯である。当時野党の国会議員だった私も『日本改造論』を読んだが、“無機質”な本という感がした。政治学者や官僚たちの構想の特質は、“無機質”という点である。無機質な理想や構想などから革命は生まれない!
今日はそのことだけを指摘しておく。
それでは、また。