これは迷走か!?
08年12月06日
No.1011
最近私は毎日の株式市場を丹念に追っている。今週も激しく上下した。結構しぶとく株価は推移していると私には思えるのだが、経済の実態は好ましくない現象が次々と現実になってくる。私の疑問は、実体経済の動きが極めて悲観的であるのになぜ株価がこうも激しく上下するのかということである。この期に及んでも、まだ投機的取引で巨利を貪っている輩が暗躍しているということである。
世界各国で金融危機・不況に対していろいろな対策が講じられている。それは実体経済の危惧すべき現象に対する具体的対策でなければならない。各国の政府はそれなりに有効な具体的対策を立ているように思われる。ただその効果が直ぐに現れないだけなのだが、わが国の経済対策はどうなのだろうか。麻生首相は“100年の1度あるかないかの危機”という。しかし、現実に行っていることは“100年に1度あるかないかの愚策”である。自公“合体”政権が行っている経済政策は“世紀の迷走”である。
現実の政治問題に対する対処能力がないことを露呈したのが安倍首相であった。安倍内閣は政権担当能力がないのではないかという疑念を多くの国民に与えた。それが参議院選挙の大敗の原因だった。私はそう思ったし、永田町徒然草でそのことを徹底的に追及した。現在の麻生内閣も同じである。マスコミは迷走と表現しているが、これはもう迷走などではない。政権担当能力がないことを露呈しているのである。マスコミは自公“合体”政権に対して相変わらず“大甘(おおあま)”なのだ。自公“合体”体制はこれまでのどの体制よりもマスコミを掌握していることが特質であることを努々(ゆめゆめ)忘れてはならない。
だが、着目しなければならない点は、安倍内閣は“政治問題”に対して政権担当能力がなかったことである。すなわち、大臣の失言・年金問題に対する不手際・憲法に対する態度などであった。麻生首相と自公“合体”政権は、深刻な経済問題に対する政権担当能力がないこと日々露呈している。その象徴が“2兆円ばら撒き”であろう。もう国民は呆れている。今朝のNHK・BS放送の『おはよう世界』は、ドイツでメルケル首相が行おうとした同じような提案が否決された、と報じられていた。
アメリカではビッグ3に対する公的資金(税金)の投入が議会で真剣に議論させている。欧米の政治では税金の使い方が非常に慎重である。わが国の国民も税金の使い方にもっと慎重かつ批判的でなければならない。ガソリン価格は下がっているが、ガソリン税の暫定税率問題は依然として未解決のままである。自公“合体”政権はアナクロ的に年末恒例の道路建設促進決起大会を開いている。道路特定財源の暫定税率問題を次の総選挙ではどうしてもテーブルに乗せなければならない。税金について国民は細かくてよいのである。
それでは、また。