“暫定税率問題”を直視せよ!
08年05月18日
No.811
今日の『サンデープロジェクト』(テレビ朝日)で、道路特定財源の一般財源化したとき何に幾らくらい使うのかとテーマを論じていた。自民党からは菅義偉、公明党からは高木陽介、民主党からは枝野幸男、共産党からは小池晃の各議員が出演して論じていた。
各氏の発言を紹介するつもりはない。紹介する価値のない発言であったからだ。驚いたことは司会の田原聡一朗氏を含めて“暫定税率”という言葉が一言も出なかったことである。道路特定財源のことがこれだけ大きな問題になったのは、今年の3月31日にその暫定税率が期限切れになったからである。これを機に国民は道路特定財源の暫定税率を考えるようになった。
いちばん人口に膾炙(かいしゃ)した言は、「30年という“暫定”期間はないであろう」ということであった。国民が問題にしたのは「暫定税率が課せられている道路特定財源の高い税金」なのである。道路特定財源と暫定税率は不可分一体のものとして今日に至った。道路整備に限定して使うことを条件に、道路特定財源の暫定税率(国民には暫定も本則もない。現実に支払わなければならない税金)は辛うじて国民の理解と納得を得てきた。
道路特定財源とされる税金の根拠となる税法(揮発油税、道路地方税、軽油引取税を定めた地方税法、自動車重量税法など)には、基本税率が定められている。これが本則税率といわれる税金である。国民は今回この本則税率まで問題にはしていない。本則税率が道路特定財源として使われることは、国民は理解しているし、納得もしているのである。
それなのになぜ道路特定財源の一般財源化が問題になってしまったのだろうか。問題になったのではない。“特定の勢力”が問題にしたのである。道路特定財源の暫定税率に対する国民の不満をはぐらかすために、問題を作ったのである。野党はまんまとこの術中に嵌(はま)ったのである。そうなったのは、勉強不足と現実を直視しない思考形態にある。いま国民が求めているのは道路特定財源の暫定税率の廃止である。野党はこの点に問題を絞るべきである。そうしないと次の総選挙で勝つなどということは夢となる。
それでは、また。