争点は、道路特定財源の暫定税率!
08年05月14日
No.806
昨日衆議院で「道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案」がまた再可決された。今回は野党も出席したようである。「ようである」と書いたのは、私は忙しくてニュースをみる時間がなかったからである。それに私はこの法律についてはあまり関心がないからである。所詮は税の使い方の問題でしかない。
ガソリンや自動車などに着目して税を取ることの意味は一体どこにあるのか。消費税の導入に際して、間接税は原則として廃止された。残った間接税は、酒税とタバコ税とガソリン税を筆頭とするいわゆる道路特定財源といわれている税だけといってよい。この3つの間接税が廃止されなかった理論的根拠は特にない。税額があまりにも大きいという理由しか基本的にない。消費税が導入された時(平成元年4月1日)の消費税率は3%であった。道路特定財源といわれる間接税の税収は6兆円強である。消費税率に換算すれば2%強の税収に相当したからである。
消費税率は5%になったが、それでも6兆円という税収は大きい。だから簡単に廃止できないのは分かるが、使途は道路特定財源とすべきなのである。なぜなら道路特定財源の暫定税率が許容されてきたのは、使途を道路整備としてきたからである。道路特定財源といわれている税と道路整備は、負担と受益の関係がある。道路特定財源を一般財源化するとしたら、税源として果たして妥当かという疑問がまず生ずる。そこのところをクリアしなければ、一般財源化という主張にはとうてい賛成できない。
道路特定財源の一般財源化に賛成という意見がほとんどである。いまや自民党から共産党まで賛成といっているのである。これをひっくり返すのは大変である。しかし、国民の意見はそうではない。国民は少なくとも道路特定財源の暫定税率を廃止せよといっているのだ。問題は道路特定財源の暫定税率の是非にあるのだ。道路特定財源の一般財源化に賛成か反対かとマスコミは世論調査で質問しているが、そこにまやかしがある。世論を誘導しようという明らかな意図を感じる。
まずガソリン税などの暫定税率と本則税率を正しく説明し、暫定税率を課していることに賛成か反対かをまず問うべきなのである。その次に、道路特定財源とされている税収を一般財源化として道路整備以外に使うことに賛成か反対かと問わなければ、具体的問題を具体的に質問したことにはならない。全新聞社が道路特定財源の一般財源化に賛成と社説等で主張している。NHKをはじめとするテレビ局もほとんどが道路特定財源の一般財源化に賛成と主張しているようである。だからこの戦いは大変なのである。しかし、正義(正論)は勝つ。その精神で今後とも私は論陣を張っていく。野党は争点を明らかにしなければならない。勝負は、次の総選挙である。
それでは、また。