勇気ではなく愚挙である!
08年04月10日
No.768
毎日のニュースで物価の上昇が触れられている。狂乱物価といわれていないが、一斉物価上昇の様相である。賃金や年金がほとんど上がっていない中で、今回の物価上昇に国民はかなり堪えている。その中でガソリンと軽油の価格が大幅に下がった。干天の慈雨という人もいた。特に地方では、ガソリンや軽油は必需品である。自動車を使わない生活は現実問題として考えられないのだ。
それなのに自公“合体”政権は、これを再び値上げすると大声で叫んでいる。それを支持する国民の生の声は、テレビでほとんど放映されない。多分そういうことを公言する国民がほとんどいないからなのであろう。だから、その映像を撮ることができないのである。無理してそうした映像を作ろうとすれば、“やらせ”になってしまう。やらせ報道は、大きな問題となる。そうした映像が撮れないものだから、おかしなことをいう評論家や政治家の発言を放映する。ガソリンや軽油の暫定税率問題について、できるだけ報道していないようにしているテレビ局や新聞社もある。
福田首相の不人気は、もう決定的である。それなのにまだ衆議院で再可決してガソリンや軽油の暫定税率を復活すると公言している。その発言自体が、一層国民の不快感を募らせる。実際に再可決をし、ガソリンや軽油の暫定税率が復活したとき、国民の怒りは頂点に達するであろう。支持率90%などといわれている宮崎県知事を引っ張り出しても、何の助けにもならない。火を噴くのは、ガソリンではなく国民の怒りである。それでも再可決して暫定税率を復活しようというのだから、自公“合体”政権は勇気があるというより愚かとしかいいようがない。
事の本質を理解したとき、大局観が生まれてくる。自公“合体”政権が思うように、日本の政治を動かすことはもうできないのである。衆議院の3分の2以上による再可決があると考えているようだが、それが浅はかなのである。そんなことができるのは、ほんのあと少しの間だけである。国民の意に反することを深い考えもなく再可決という強硬手段で押し通していたのでは、次の選挙で衆議院の過半数を獲得することもできなくなる。自公“合体”体制には、その大局観がないのである。事の本質が理解できないのである。こんな体制に政権を委ねることは危険である。
それでは、また。