ちょっと大事なお話
07年11月29日
No.628-2
予定どおり午後3時ちょっと前に帰宅した。今日どうしても書きたいことは、守屋前防衛事務次官の逮捕と小沢民主党代表のテレビ出演である。それを午後にupdateしますと予告をする筆者もおかしいが、それをわざわざ見にくる読者も面白いという人もいるだろう。そういうところが、白川サイトの面白くおかしいところだ(笑)。
昨日「丁重にも今日逮捕すると予告するのはどうか」と書いたが、実際に守屋容疑者に逮捕状が執行されたのは午後なのであろう。今朝早く昨日の夕刊を見た。見出しは「守屋前次官逮捕へ」となっていた。今日の朝刊には「守屋前防衛次官を逮捕」となっている(いずれも『朝日新聞』)。収賄罪という軽い罪名でしか逮捕できないために検察の憂さ晴らしなのであろうか。夕刊で「守屋前防衛次官を逮捕」と打たれたのでは、朝刊はそうならないからである。やはり朝刊の一面トップの方が重い。
守屋容疑者の妻も逮捕された。これは非常に珍しい。収賄罪は身分犯といわれる。公務員という“身分”のない者が犯すことができない犯罪だからである。公務員でない者が公務員の共犯として収賄罪で逮捕されるということはきわめて珍しい。これを“身分なき共犯”という。今回のケースで守屋容疑者の妻を収賄罪の共犯として罰することができるか、ということは司法試験の論文問題に出したら多くの受験生は参ってしまうだろう。
『朝日新聞』によれば、「妻の幸子容疑者は12回のゴルフ旅行のすべてに同伴。事務次官としての夫の立場を認識したうえで、接待を繰り返し受けていたとして、特捜部は本人は公務員ではないものの収賄に加担した、刑法の“身分なき共犯”にあたると判断した」と伝えている。『読売新聞』には、「ゴルフ旅行に同行した幸子容疑者についても、接待が夫へのわいろだと認識していたとして、公務員ではないが、“身分なき共犯”とした」とある。このことは、多分裁判の争点となるであろう。
法律論は別として、容疑者の妻まで逮捕されたということは、今回の事件が防衛関係の上層部と業者の“ドロドロとした爛れた関係”を明らかにするのに十分である。額賀プロブレムも根っ子にそのような疑いがあるから、野党は大きな問題と捉えているのだろう。それを「宴席には出ていない」とか「仮に宴席に出ていたとしても何が問題なのか」という自公“合体”政権の態度は、今回の事件がもっている意味を理解していないからである。三白眼の防衛大臣がさも真面目そうに「それはそれとして、インド洋における給油・給水の必要性は別問題である」と訴えても、国民の理解と共感を得ることはできないであろう。
小沢民主党代表のテレビ出演は全部シッカリと観た。また森田実氏に叱られるであろうが、大連立騒動の弁解としてはまあ有効だったのではないだろうか。本人だって少しおかしいと思いながら生き恥を晒しながら必死に頑張っているのだから、私は特に細かいことをあげつらわない。堂々と自公“合体”政権を追い詰めていくことが大切なのである。小沢民主党代表は、喧嘩の仕方は確かにうまい。私はそれが大切なのだと思っている。次から次と自公“合体”政権は野党や国民に喧嘩を売ってくる。この喧嘩は買わなければならない。そして、この喧嘩には勝たねばならない。小沢民主党代表はその面で、いいキャラをしている(笑)。なかなか得がたい人物である。
それでは、また明日。