質問時間の計測!?
07年10月16日
No.582
参議院予算委員会の質疑が続いている。 “衆議院における答弁はできるだけ長く、参議院における答弁はできるだけ短く”。大臣になったとき、このことを心がけなければならないといわれた。なぜこうなるかというと、決して参議院を軽視していた訳ではない。質疑応答の時間のカウントの仕方が違うからである。
国会の各委員会における質問時間は、基本的に各委員会の各会派の議席数に従って配分される。ふつう質問時間が2時間と決まった場合、質問と答弁を合わせての時間である。大臣が長々と答弁すると質問する議員の時間はそれだけ少なくなる。だから大臣が長々と答弁すると質問する議員は“短く、短く”というのである。
しかし、参議院の予算委員会だけは特別の時間のカウントをする。質問時間が30分とされると、それは質問をする議員の発言時間だけなのである。質問に対する答弁は、質問時間にはカウントされない。だから大臣が答弁をダラダラと長くやるとそれだけ質問時間がそれだけ長くなるのである。予算案の審議は衆議院で決まれば30日で自然成立する。政府にとっては参議院の予算審議は消化試合みたいなものである。当然できるだけ早く終らせたい。従って、参議院予算委員会の答弁は、“できるだけ短く”ということになるのである(笑)。
今日中継をされていた予算委員会で、ある議員が随意契約について質問をしていた。「財務省から出された指針にはどう書いてありますか?、私がこれを読むと時間がなくなるので、大臣これを読んで下さい」といわれ、農水大臣が問題の指針を長々と読んでいた。文書を長々と読まされる大臣も大変だが、こうした事情を知らない人はなぜこんなことをするのか不思議に思うであろう。また質問する議員の発言時間を、何分何秒単位で計算している国会職員がいることなどあまり知られていない(笑)。
昨日は家で仕事をする予定であったが、急ぎに用件が飛び込んできて外出をせざるを得なかった。そのため審議の模様をほとんど観ることができなかった。今日も朝から観ているが、あまり緊迫した質疑応答とは思えない。政府を追い詰めるということは、そんなに簡単なことではないのである。質問にあたっては、理不尽な現実をしっかりと調査しこれに対する政府・行政の責任を具体的に追及しなければならない。政府として本当に責任を感じるならば、具体的にどのように変えていくかを具体的に追及しなければならない。大臣の物知りげな答弁を長々と許しているようでは、質問時間は長くなるが政府を追い詰めることも理不尽な現実を変えることもできない。もう少し工夫をして欲しい気がする。
それでは、また明日。