これから始まる 戦いの出発にあたり
15年10月03日
No. 1785
爆弾低気圧が荒れ狂った約一日を除き、爽やかな“秋晴れ”が続いている。もともと、日本の秋は良い天候に恵まれることが多く、これが正常なのだ。また、日本の夏は、元来カンカン照りの暑い日が続くものだった。しかし、安保関連法案が国会に提出され、この審議が始まると今年の夏は、おかしくなった。前半は猛暑日が続き、参議院の審議が大詰めとなったお盆過ぎからは、雨の日ばかりが続いた。国会正門前の大がかりな抗議行動等は、ほとんど雨の中で繰り広げられた。
9月は、安保関連法案の行方を見守るのを最重要課題と位置付け、白川勝彦法律事務所の仕事も、已むを得ない範囲でやることにした。しかし、いつまでもそういう訳には行かない。だから、国会正門前等にも、あまり行かなかった。昨日は金曜日なので、どのような抗議行動が行われているのか見たかったのだが、仕事が忙しくて行けなかった。昨日は、日比谷公会堂で集会が持たれたという。詳しくは、次の記事「安倍政権 NO! ☆ 1002 大行進」でご覧あれ。
安保関連法案に対する反対行動は、確かに大がかりなものだった。それにもかかわらず、安保関連法案は可決成立し、法律となった。これまでは普通、これで終わりだった。しかし、安保関連法案に反対してきた人たちは、この法律を廃止するために、さらなる運動を始めることになった。このような問題提起は、初めてのことである。理屈は真っ当であり、それは主張の通りだ。しかし、それを現実にするとなると、そう簡単ではない。
少なくとも、来年の夏には参議院選挙がある。この参議院選挙で、安保関連法案に賛成した自民党・公明党・次世代の党等を敗北させ、参議院での過半数割れを起こせたら、成立した安保関連法を廃止する動きは、現実のものとなる。実際に、安保関連法を廃止するまでには、かなりの時間と手続きを要するであろうが、安倍政権は風前の灯となり、たぶん、瓦解するであろう。
安保関連法案が可決されたその日に、共産党が、「成立した安保関連法を廃止するために、安保関連法廃止・国民民主政府を作ろう」という、野党共闘案を打ち出した。この提案を軸に、さっそくいろいろな動きが始まったが、野党の動きは、なかなか複雑である。いっぽう、動き出したのは野党だけではない。安倍首相の別動隊である橋下徹一派が、さっそく新党構想を打ち出した。例によってまた、一部のマスメディアがこれを持ち上げている。
今回成立した安保関連法を廃止するために、まず、来年の参議院選挙で、この法案に賛成した自民党・公明党などの参議院における過半数割れを実現するということは、本気で向かえば、そんなに難しいことではない。共産党が当選する可能性が少ない選挙区において、選挙協力として立候補を控えるとしたならば、自公“合体”政権の議席を“劇的”に激減させることができる。実際、そんなことをしなくても、過去において自民党は、何回も参議院選で“壊滅的敗北”を喫したことがあるからだ。
一口で言えば、政治は面白くなってきた。しかし、選挙となると、有象無象がいろいろな思惑をもって動き出す。それだけに、諸般のことを総合的に考えて、間違いない戦略と戦術をもってこの戦いを進めていかなければならない。厳しいことも、時には言わなければならないと思っている。この戦いの戦略と戦術を決める重要な指針は、この数か月全国各地で繰り広げられてきた、安保関連法案反対の闘いの中にあるのである。だから、私は闘いの現場にこだわったのだ。秋の夜長に、私の考えることをできるだけ訴えていくつもりである。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。