綸言汗の如し
14年02月23日
No.1656
都知事選とオリンピックの報道が忙しい中で、“要人”たちが暴言・妄言・失言を繰り返している。ここではいちいち繰り返さないが、安倍晋三・籾井NHK会長・百田および長谷川NHK経営委員・衛藤晟一首相補佐官・本田悦朗内閣官房参与・麻生太郎財務大臣・森喜朗元首相等の問題発言である。かつてならば、いずれも大きな政治問題になったのだが、いまは何故かやり過ごされていくような雰囲気だ。
いずれの問題発言の主も、それぞれ責任ある地位にある人たちである。しかも発言内容は、いずれも政治的な問題があることばかりである。このような問題について発言する場合は、熟慮して発言する必要があると、分かっている筈だ。そんなことも分からずに不用意な発言をしたとしたら、あまりにもお粗末である。そして、自らの発言が問題にされると慌てて「個人的見解であり、発言は取り消す」などというのが、いつものパターンだ。
こうした発言を繰り返す“要人”たちは、「綸言汗の如し」という言葉を知っているのだろうか。「綸言汗の如し」とは、皇帝が一旦発した言葉 (綸言) は、取り消したり訂正することができないという、中国歴史上の格言である。私は、前記の“要人”たちを皇帝などと思ってはいないが、それぞれ責任ある地位にいるのだけは確かである。責任ある地位にいる人は、言葉の重さを知らなければならない。それが、責任ある地位に就く必要条件である。
問題発言に注意を喚起し、その責任を追及してきたのは、野党であり、マスコミであった。ところが、このところ野党もマスコミも、その責任を果たしていない。マスコミの幹部が夜な夜な安倍首相とホテルや料理屋で飲食に興じている現状では、マスコミがその責任を果たすのは無理であろう。だから、野党が頑張らなければならないのだ。国会が開かれているのだから、その機会は十分にある筈だ。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。