敗れし者に敬意を!!
13年07月27日
No.1596
参議院選挙が終わって、1週間が過ぎた。永田町徒然草の多くの読者は、やり切れない想いこの週を過ごしてきたのではないか。その証拠に、選挙期間と同じくらいの多くのアクセスがあった。しかし、私も心の整理ができていないので、読者の想いに応えるようなものがアップできなかった。こういう結果になることは、政治が分かっている者ならば、ほぼ予測できたのだが…。
今回の選挙では、当選した者よりも、落選した候補者の方がはるかに多い。もちろん、立候補することだけが目標で、最初から当選など考えていない候補者も、かなり多くいる。そのような候補者は論外としても、政治環境が現在のようになっていなければ、自公“合体”政権側の候補者と互角に闘える候補者は、相当にいたのである。そういう候補者は、もう立派な政治家であるから、自らの当落がどのようになるか、ほぼ覚悟していた筈である。それでも、立候補を決意せざるを得なかったのである。
政治家には、利害損得を度外視して闘わなければならない時がある。その志や、良し。今回、そのような想いで立候補を決断し、そして敗れた候補者が、多数いる。私の親しい友人たちも、そのようにして敗れてしまった。まず、このような候補者に、私は心から敬意を表する。選挙には敗れたが、立候補し、闘い抜いたことには、大きな価値がある。決して、無駄な戦いではなかった。いまは、この言葉しか私にはない。
昨年の総選挙、6月の都議選。そして、今回の参議院選挙において、民主党の候補者や民主党に籍をおいた候補者にこのような有権者の審判が下されるであろうことは、政治を解する者ならば、ほぼ予測できた筈である。このような結果を招いたのは菅直人元首相であり、野田佳彦前首相である。いちばんの責任は、この二人にある。しかし、命懸けで二人の暴挙を阻止しなかった民主党議員にも、それなりの責任がある。因果応報の掟からは逃れられないのだ。
臥薪嘗胆という声もあろう。しかし、この戦いを最後に、政治の世界から去っていく者もかなりいると思う。私は、それを責めようとは思わない。しかし、これからも政治の道を歩もうと考えている人たちには、こう声をかけたい。
「私は、あなたの今回の戦いに心から敬意を表する。まず心身を労わりなさい。そして、悩みに悩み抜いて、今度こそ命懸けの戦いを始めなさい。道は、必ず拓けます」
と。
立派な政治家が生まれるのに必要なのは、その政治家個人の政治理念と努力である。しかし、立派な政治家を育てるのは、国民の責任である。国民の力なくして、国民や国を救うような政治家は生まれない。この単純な原理原則に従って、政治家・政治家になろうとする者と国民は、努力するしかないのだ。いまこそ、わが国の政治が抱えている問題をできるだけ深く掘り下げて考えなければならない。そこから、これから国民が歩むべき道筋が見えてくる。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。