争点は、ただ一つ。
13年06月29日
No.1586
通常国会が終わり、政局は参議院選挙へと突入する。それにしても、何とも詰まらない、締りのない国会だった。その原因は、自公“合体”政権が圧倒的多数を持っているからなのか、それとも野党が茫然自失しているからなのか。いずれにせよ、国会を面白くするのは野党の責任である。野党が政権の問題点を追及するから、国会は面白くなるのだ。国民の関心が国会に集まれば、普通は選挙で野党が伸びる。
これから20日余りで、参議院選挙の結果がでる。その予想は私がいうまでもなく野党の敗北であり、結果として、与党の勝ちである。今回の参議院選挙ほど結果が読める選挙は、珍しい。自公“合体”政権が万全だからでなく、挑戦者である野党がだらしないからである。面白い選挙の構図を作るのは、野党の責任である。面白い選挙の構図を作れば、国民の選挙への関心が高まり、結果として野党が伸びるのだ。
安倍内閣のやっていることなど、私から見れば“出鱈目”そのものである。こんな内閣を選挙で追い詰めるのは、いとも簡単なのである。しかし、野党に闘う気がないのだから、残念ながら、戦果を上げるのは、まず無理であろう。これほど無気力な野党の態勢を見るのは、私は初めてである。野党としての自覚がないからである。一人前の政権党になれないのはともかく、一人前の野党にもなれないとは…(嗚呼)。
野党とは何か。政府与党のやろうとしていることの問題点を明らかにし、これに反対する国民の力を集める政党である。いま、政府与党がやろうとしていることの最大の問題点が“憲法改悪”なのは、明らかであろう。政府与党が行おうとしている憲法改悪に反対する党でなければ、断じて野党とはいえない。憲法そのものについての意見を訊きたいのではない。「いま自公“合体”政権が行おうとしている憲法改悪に賛成なのか、反対なのか」を訊きたいのである。
政党も政治家も、具体的状況における具体的判断が問われるのである。有権者は、憲法についての、その政党や政治家の一般論が聴きたいのではない。自公“合体”政権がいま行おうとしている憲法改悪に賛成なのか、反対するのかを問いたいのである。いま国民は、この一点に問題を絞って、政党や政治家の判断をしなければならない。民主党の候補者などは、この問題に対する態度が明確でない者も、かなりいる。要注意、要注意。
今回の参議院選挙の勝敗は、自公“合体”政権が行おうとしている憲法改悪の阻止にかかっている。具体的にいえば、参議院選挙後において、自公“合体”政権が行おうとしている憲法改悪の発議に賛成しない参議院議員を、参議院の3分の1確保することである。もちろん、非改選の参議院議員と合わせて、だ。そのために、今回の選挙で憲法改悪に反対する参議院議員を何人当選させる必要があるかは、これから調べて、明らかにする。
問題をこのように絞って考察すると、自民党や自公“合体”政権の勝利は、そんなに簡単ではない。国民は、自公“合体”政権などに絶対に、昭和憲法を改悪させてはならない。昭和憲法がひとたび改悪されたら、簡単に引き返せなくなる。この際、国民は、昭和憲法がどれだけ悪政から自らを護ってきてくれたかに想いを馳せなければならない。国民は昭和憲法を必ず護ってくれる、と信じている。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。