烙印が押される1週間
12年08月05日
No.1521
暑さとオリンピック観戦で、いささか疲れ気味の人が多いのではないだろうか。しかし、今週はそうも言っていられない。今週中にも、「自公民・談合の消費増税10%法案」が参議院で可決されようとしている。その内容と手続きにおいて、前後最悪の悪税法案である。自公民3党が消費増税10%で完全な談合体制を作ったのであるから、反対派は、国会で何もできない。新党『国民の生活が第一』などの“完全野党”は、内閣不信任案を提出する。
また、参議院では野田内閣問責決議案の提出を自民党が模索しているようだが、こちらの方は、どうも意味不明だ。野田首相が信頼できないことなど、分かり切ったことではないか。そんな首相と談合して、消費増税10%を画策したこと自体が問題なのだ。野田首相が解散をしないので問責決議案を提出するのだというが、増税法案を可決しておいて解散総選挙としても、遅すぎる。だから、意味不明だと私は言うのだ。
今回の内閣不信任案では、提出する完全野党の議員数があまりに少ないのに、私は驚いた。現在の国会は、自公民・談合勢力に完全に乗っ取られてしまったのだ。いまや、民主党の国会議員は自公民・談合勢力であり、国民と敵対しているのである。彼らは、3年前「国民の生活が第一」と訴え、多くの国民から支持されて当選した。どの面をさげて、政治家として生きていられるのだろうか。彼らは、政治的な犯罪者といっても過言ではない。
今週、さまざまな動きが国会で繰り広げられる。その一つひとつが、非常に意味あることなのだ。いまのところ、自公民・談合の消費増税10%法案は可決されると思うが、実際に消費税10%を実施するためには、まだ幾つかの関門がある。何よりも、1年以内に、最低でも衆参のそれぞれの選挙がある。今週の政治劇で、どのような行動をとったか ── それが、この二つの選挙で決定的な意味をもつのだ。
現在国会に籍をおく者は、「自公民・談合の消費増税10%法案に賛成したか、それとも反対したか」という烙印を、死ぬまで押されるのだ。その烙印の持つ意味を、国会議員たちは果たして、分かっているのだろうか。このことは、自公両党の国会議員も避けて通ることはできない。要するに「国民の側に立つ政治家か、それとも、国民と敵対する政治家か」、と峻別されることになるのだ。「国民と敵対する政治家」は、長く生きていけはしないのである。
今日はこのくらいにしておこう。それでは、また。