公約を破る為政者
12年07月01日
No.1512
東京では、今年の梅雨は雨が少なかった。九州には、記録的な雨が降った。しかし、それは梅雨というより、台風がらみの降雨であったようだ。東京の6月の平均気温は、平年に比べ0.5℃低かったという。確かに、例年の梅雨より過ごしやすかった。平均気温が1℃下がるのは大変なことなのだと、良く分かった。平均気温が1℃上がるのも、大変なのだろう。自然が平穏であることは、実に大切なのである。
6月の永田町では、大変なことが起こった。国会の3分の2を超える勢力が談合したのであるから、おかしなことが起こっても仕方ない。しかし、この3分の2という勢力は、ドサクサに紛れて、何でも良いからとにかく消費税を10%しておこうという勢力でしかない。この勢力は、国民からその信任を得ていないのだ。エジプトの大統領に就任したムルシー氏は、「権力の源泉は国民にある」といった。消費税10%は、“正統性”をもっていないのだ。
国民が消費税を10%にしても良いと思っていないなら、3分の2という勢力は、政治的に脆弱である。脆弱な国家権力には、国家の危機は救えない。わが国は、いま大きな危機に直面している。20年余に及ぶ、経済の停滞。わが国にとって経済の成長は、死活的意味をもっている。わが国が国際社会で伍していくためには、力強い経済力が不可欠である。いま、わが国がG8の一員でいられるのも、かつての成長成長の賜である。
わが国の財政が硬直化し、財政赤字が続き、累積債務が蓄積してきたのは、経済が低迷しているからである。「財政赤字をなくし」「累積債務を少なくする」ために絶対に必要なのは「経済成長」であり、断じて増税ではない。経済の成長を成し遂げるためには、強力な国家権力が必要である。強力な国家権力とは、決して強権的な権力ではない。「国民から信頼され」「国民を指導できる」権力である。自由主義社会の政治では、特にそうだ。
「公約を破っても、それがどうした」と
それでは、また。