民主政治が死ぬ!!
12年06月24日
No.1509
どうも、最近のわが国はおかしい。
- 公約を無視して消費増税10%に突進する野田内閣に対して、マスコミの非難は皆無。
- マスコミは野田首相を非難するのではなく、民主党の内で野田首相を批判する小沢グループを非難し、これを貶めようとしている。
- 民主党議員の野田首相に対する抵抗について何も報じない。
この外にもいろいろなことを言いたいが、今日は、このことを論じようと思う。
わが国のマスコミが、ジャーナリズムとしての自負と自覚を失ってから、すでに久しい。だが、時の政権が進めようとしていることと馴れ合うのは、それほど露骨ではなかった。私が最初におかしいと思ったのは、前回の総選挙を前にした平成21年春、検察を使って、政敵を抹殺しようとしたこと。麻生政権の末期であった。私は、自民党時代から小沢氏を好きでなかったし、小沢氏とは、政治的にその対極にあった。しかし、検察を使った政敵の抹殺は、絶対に許せなかった。私は、論陣を張ってこれと闘った。
今回の野田首相が突進している消費増税の動きに対して、マスコミは、最初から批判や非難を怠ってきた。細かいことを言わなくても、単純な公約違反であることは明らかである。そのことを指摘するマスコミはほとんど無く、消費税を増税するのは当然であるという論調が、ほとんどであった。私は、消費税の増税は不可避であるという立場に立たない。私は、消費税の増税にそもそも反対である。
マスコミは、消費税の増税が不可避であると主張し、国民を説得しようとしている。多くの国民は、本能的に消費税の増税に反対しているにもかかわらず、消費税の増税の必要性を、ことさらに強調している。税金をどうするかは政治の基本であり、政治理念に深く関わる重大事なのである。マスコミが国民を説得するとか、納得させるとかという問題ではない。マスコミは、その基本から逸脱している。
民主党にも最低限の常識があるから、野田首相の行動には反対や疑問があるのは当然である。マスコミは、自分が間違っていても、せめてその動きくらいは報じなければならない。今回の消費増税に、グループとして公然と反対しているのは、小沢グループである。マスコミは、消費増税問題を民主党の党内抗争と矮小化している。政局問題と扱っているのは、マスコミ自身であるにもかかわらず、小沢グループが政局の争いとしていると非難している。
政治的価値観や政治的利害が激しく対立する問題は、当然のこととして政局となり、政治的な決着がつけられる。今回決着をつけなければならない問題は、消費税の増税の是非ではない。公約に明らかに反する、消費税10%を強行することの是非なのである。これは民主党の問題であり、民主党の中で決着をつけなければならないことである。公約に明らかに反することを行う野田首相を、マスコミは批判も非難もしない。明らかに、異常である。
野田首相は、民主党の中だけでこの問題を論じれば、己の主張が否定されることを知っている。そこで、自民党と公明党と結託して、己の主張を実現しようと画策した。どう
野田首相は、小沢グループだけに挑戦しているのはないのだ。実は、国民に挑戦しているのだ。前回の選挙で、マニフェストなるものが急に出てきて脚光を浴びた。私は、何となく胡散臭いと感じた。しかし、わが国の政治において公約というものは、それなりに意味があり、特に政権政党は、これを無視することはできなかった。わが国のこの伝統を崩壊させるのが、今回の野田首相の暴挙なのだ。
マスコミが、この伝統をどう思おうが勝手だが、政党や政治家がこのことをどう考えるかは、極めて重大事である。いま問われているのは、民主主義の政治システムなのである。民主党の政治家一人ひとりに、いまこのことが問われている。民主党がいかに政治的に未熟な政治家たちの集団であるかは、この3年間でよく分かった。が、せめて民主主義の基本くらいは、持っているという矜持を示して欲しい。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。