いよいよ化け物が…
12年06月03日
No.1503
野田首相と小沢元代表の再会談は、やはり平行線のままだった。野田首相は、野党 ─ 特に、自民党と連携して、消費増税法案の衆議院採決に踏み込むことを決めた。その証拠として、問責決議を受けていた大臣らを交代させるために、明日、内閣改造を行うと表明した。これで、いよいよ“ジミンミンという化け物”が、消費税を10%にするというオドロオドロしいドタバタ芝居が始まる。どんな人物がどのように発言・行動するのか、
国民は、これから行われる芝居を、よく見ておく必要がある。消費増税法案がひとたび衆参で可決され、法律となったら、これの廃止は、ほとんど不可能になるからだ。消費税を10%にすることの是非は、人によっていろんな考えがあろう。しかし、それについて国民の意見を聞かないというのは、一体どういうことなのだ。消費税を10%にすることの是非を問う選挙は、実は、一回も行われていないのだ。
ハッキリと言っておく必要がある。解散総選挙という言葉があちこちから出ているが、各政党や、それぞれの候補者が消費税についてどう考えているのかを明確にして行う総選挙でなければ、意味がない。消費税を10%にしなければならないと思うのなら、堂々と、その理由を訴えて選挙戦を戦えばよい。自民党候補者でも、全部が全部そう主張できるかは、疑問である。民主党候補者の半分以上は、そう主張できないと思うが…。
自民党と民主党が一緒になって消費税を10%にすることに、反発・違和感をもつ国民が多いであろう。自民党と民主党が一緒になって消費増税法案を通せば、いろいろ言われても、有力な対立候補がいないのだから、選挙は大丈夫と思っているのが増税賛成派の考えなのである。自民党と民主党の執行部は、こういって動揺する議員を抑えつけようとするであろう。実に、国民・有権者を舐めた考えであり、増上慢以外の何物でもない。
野田首相は、ルビコンを渡った。これに同調する民主党議員も、ルビコンを渡ることになる。民主党という政党は、政治的に死んだといってよいだろう。一方、こうした民主党と連携する自民党も、変質する。元々いろんな政治的思想の持ち主が混在する自民党は、さらに社民勢力まで抱えることになるのである。そのような政党に、わが国の政治を行える筈がない。政治的問題を解決する場合、厳しくとも、右にいくのか左にいくのかをハッキリさせなければならないのだ。
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。