自民・民という化け物
12年05月31日
No.1502
昨日、野田首相と小沢元代表の会談が行われた。消費増税法案への賛成を迫った野田首相の要請に対して、小沢氏は、“いまの状態では賛成できない”と答えたのだから、話し合いは決裂と言っていいだろう。報道によれば、野田首相は自民党との連携に舵を切るという。現在の自民党はいろいろ言っているが、内心は喜んで協力すると、私は思っている。自民・民という、得体の知れない化け物の誕生である。
野田首相とその周辺は、小沢氏や小沢グループだけが消費増税法案に反対するとみているが、それは甘いと、私は思う。細かいことは抜きにして、前回の衆議院選で民主党候補として当選した者が、消費税を10%にしたことをどう説明しみても、有権者の理解を得ることは困難であろう。特に、民主党候補に投票した有権者の……。政治的には、大きな“裏切り”であることは、明らかであるからだ。
選挙というのは、候補者一人ひとりの、信念・気迫・モチベーションが重要である。前回の衆議院選では、民主党候補者のそれらが大きく作用して、民主党は大勝利を勝ち取ったのだ。次回の衆議院選に、現在の民主党議員が同じ選挙区で立候補したとしても、その候補者は、堂々とした気持ちでは、立候補できないだろう。一方、有権者は、露骨に冷たい対応を示すであろう。候補者力の弱い民主党議員は、まともな選挙戦を行うことさえ困難であろう。
民主党がどうなろうが
自民党や公明党は、消費税を10%にするのは当然だと思っているが、自分たちがそう思っているだけである。前回の衆議院選と参議院選で消費税10%と公約に掲げたというが、結果は惨敗したのである。自民党や公明党の公約は、有権者から否定されたのだ。民主党の支持率が落ちているのに、なかなか自民党の支持率が上がらない原因は、そこにある。そのことに、なぜ自民党は気が付かないのだろうか。
まぁ、こういうことだ。しかし、国会の中では、自民党と民主党の増税派が一緒になって、消費税を10%にしようとしている。自民・民という得体の知れない集団が、化け物が、わが国の政治を籠絡しつつある。ジミンミンという妖怪と言いたいところだが、それ程の迫力もない。だから、私は“ジミンミンという化け物”と呼ぶことにする。“ジミンミンという化け物”の正体は、もちろん財務省・財界の支援を受けた、政治的化け物に過ぎない。
自民党は、わが国の歴史の中でそれなりの役割を果たしてきたと、私は思っている。財務省や財界についても、私は、同じように評価している。しかし、この10年以上、彼らはその役割を果たしていない。過去の遺産で、かろうじてその存在を維持しているに過ぎないのだ。現実は、そのような遺産や仮面を、容赦なく剥ぎ取っていく。現実とは、過去の虚栄で動いていくことのできない世界なのだ。それが、前回の衆議院選における自民党惨敗の原因である。
時代は、現実の力で動いていく。政治は、国民の現実の生活で動く。現状では、国民に10%の消費税を支払う状況などない。だから、国民が反対するのは、明らかである。それは、どう思うかなどという
今日は、このくらいにしておこう。それでは、また。