いま、何をなすべきか。
11年04月18日
No.1482
東日本大震災の被災地では、被災者が懸命に闘っている。その様子が毎日テレビ等で放映される。福島第一原発事故を治めるために、関係者が、放射能の危険に曝されながら懸命に闘っている。放射能の危険を避けるために、多くの人々が避難地で必死に生きている。毎日10回前後の余震が、被災地の周辺で起こっている。東京でも、地震はもう日常茶飯事となった。その中で、多くの国民は、それぞれの日々の仕事と精一杯に闘っている。わが国でのんびりと過ごせる人など、ほんの一握りしかいないのだ。
私がいちばん気にしているのは、大津波の襲撃を受け、行方不明となった方々の捜索活動である。生存はしているが、何らかの理由で所在が掴めない人も、いるかも知れない。だが、多くの人々は大津波に襲われ、その被害に遭われたのだろう。その“被害状況が不明”だから、行方不明者なのである。報道を見ていても、その捜索活動が極めて困難であることは、良く分かる。しかし、国家の役割は、国民の生命・財産を守ることである。だとしたならば、いかに困難があろうとも、大津波に襲撃され、ガレキの中で行方不明となっている方々の捜索は、完遂しなければならない。
大津波に襲撃された被災地のどのくらの地域で捜索活動が終了したのか、その状況だけは、どうしても政府当局から明らかにしてもらいたいと、私は切望している。原発事故の収束は極めて重要だが、それは専門技術者に委ねるしか方法がない。しかし、大津波に襲撃された被災地における行方不明者の捜索活動は、自衛隊・警察・消防・建設関係者等の総力を結集すれば、必ず達成できる筈だ。大津波の被害に遭われた方々の捜索活動を終了させないで、復興計画の話を切り出しても、被災者は聞く耳をもたないであろう。原発事故の収束宣言は、多分、かなり先のことになるのであろう。しかし、行方不明者の捜索活動の終了宣言を、いつまでも待つ訳にはいかない。
福島原発10~20キロ圏内の、大津波による行方不明者の捜索活動を、福島県警が数百人規模で行っている。10キロ圏内の捜索活動が可能なのか、原子力関係者の偉い先生方にぜひ訊いてみたいものだが、危険で不可能だというのならば、当面は諦めざるを得ない。だが、その法的責任は東電と国にある。当然のことながら、大津波で身内の人々を失った人々から精神的慰謝を求められることになろう。
ところで、菅首相の大震災対策と原発事故対策の不備を指摘する政治家が増えているという。そんなことは、最初から分かっていることではないか。私は、計画停電を例にそのことを最初から指摘してきた。そして毎晩“霞が関の見廻り”をして、その非を指摘し続けてきた。そのおかげとは言わないが、計画停電のバカらしさに多くの人々が気付き、現在も将来も計画停電はやらないと言うようになった。
「菅首相では、大震災対策と原発事故対策が十分に行えない」と言うのならば、政治家たちはさっさと実行すべきである。国会に議席を持つ者は、それができるのである。四の五の言って現状を変えないのならば、そういう議員たちにも責任がある。特に、衆議院議員の責任は重い。内閣不信任案が可決されれば、菅首相は辞任せざるを得ないのだ。菅首相がそれでも続行することなど、絶対にあり得ない。想定外の事態(笑)など、起こる筈がない。
今日はこのくらいにしておこう。それでは、また。