政治用語としての日米同盟
09年12月08日
No.1362
今日のニュース報道の話題は、難しいことばかりである。デンマーク・コペンハーゲンで開催されるCOP15、普天間基地移設問題、平成21年度第2次補正予算、税制改正、鳩山内閣の支持率急落等々、どれも厄介で難しい問題だ。ところが、今日の永田町徒然草を書く時間は1時間しかない。さぁ、大変だ(笑)。
政党のトップが困っているときに、幹部・中堅の議員たちがトップをフォローしないのが、民主党の悪いところだ。小沢事件の時もそうだった。当時の民主党の最高幹部のひとりが、その人のWebサイトで「発言に注意しなければならないので」といって、暫く更新がなかった。小沢氏本人が発言に注意しなければならないのは理解できるが、それを支えるべき最高幹部がダンマリを決め込んでいたのでは、話にならない。結局のところ、小沢氏は民主党代表の職を辞さなければならなくなった。
政権交代を成し遂げる戦いのトップに立ったのは、鳩山由紀夫民主党代表だった。それ故に、新しい政権のトップに鳩山由紀夫氏が就いた。その態勢のもと、それぞれが内閣・党の要職に就いているのである。その要職に就いている人たちが、自分の立場に有利な発言ばかりしている。これじゃ鳩山首相が堪らない。組織は、トップを守るために誰かが必死に支えなければ、もつものではない。民主党・社民党・国民新党は政治レベル以前に、大人の組織が当然に持たなければならないことを忘れてしまっているようだ。
今日は、普天間基地移設問題についてだけ触れる。普天間基地問題の解決に当たっては、どうしても“日米同盟”について議論しなければならない。日米同盟を“議論の余地のない問題”としたならば、普天間問題は解決できないであろう。私は、自民党に長くいた者である。そして、日米安保体制を是として、これを支えてきた者である。55年体制の下で自民党の国会議員は、苦しくとも、そういう立場に立っていた。その時代でも、私たちは日米同盟などとは言わなかった。冷戦構造が崩壊した後に、“日米同盟”などというおどろおどろしい政治用語が無神経に使われるようになった。
このことは、永田町徒然草でも懸念を表してきたところである。白川サイトを“日米同盟”でGoogle検索すると、70件もある。日米同盟についての私の考えが、それなりに述べられている筈だ。時間があったら、ぜひ読んでいただきたい。
もうひとつ、普天間問題を考える上で参考になる記事があった。田中良紹氏の「国会探検」にある、2009年12月7日付「普天間問題から見える日本」である。ちょっと長いが、これを読むと日米安保と沖縄との関わり合いが理解できる。田中氏はその論文を「それにしても、どこの国の新聞とテレビかと思うばかりの論調を連日見せつけられると、いつもの事ながらうんざりする」と結んでいる。私も同感である。
それでは、また。