戦略と戦術
09年11月14日
No.1343
昨日オバマ米大統領が来日した。私の事務所も自宅もオバマ米大統領がいるところからそんなに離れてはいない。しかし、街には警備の警察官が多数立ち、オバマ米大統領はテレビ画面で映し出されるだけである。オバマ米大統領の誕生には多くの日本人も熱狂した。アメリカの政府関係者がこのことを知っていたら、もう少し違った歓迎やイベントがあってもおかしくないと思うのだが…。革命の熱狂は、いつも役人どものやり方で鎮静化されていく。これはどの国でも変わらないようだ。
革命の熱気を永続させていかなければ、革命は陳腐な社会しか生み出さない。革命を永続させることは政治家の役目・仕事である。もし今回の政権交代という民衆革命が政治家によって成し遂げられたものならば、優れた政治家ならば民衆の熱気を続けさせることができるはずである。また革命の大義を成就していくためには、民衆の熱気が必要なのである。新しく誕生した政権やその行使に民衆を参加させなければならないのだ。果たして民主党はそのような手筈をとっているだろうか。
戦略とは、組織された戦術である。政治家が事を成そうとした場合、このことを知らなければほとんど失敗する。これは革命だけではない。仕事の分野でも同じことである。戦略とは、大きな視野から成すべき目標と達成する手順を決定することである。目標設定には、理念や理想などが深く関係する。戦術とは戦略に示されたいくつかの目標をどう達成していくかという手順である。正しい戦略に基づく個々の目標でなければ、それを達成したとしても無意味もしくは無価値となる。
戦略と戦術はこのようにリンクしている。いやリンクさせなければならないのだ。何をもってリンクさせるのか。政治の場合、理念とか理想である。だから政党や政治家は、理念や理想をどうしても持たなければならないのである。革命を成し遂げたはずのオバマ米大統領もわが国の民主党も、この理念とか理想をはっきりと明示していない。混乱はそこから生まれるのではないか。そもそも明確な理念や理想のない政党や政治家など、それ自体が失格なのである。どうも最近そんな気がしてならない。
それでは、また。