一端の為政者気取り。
09年10月13日
No.1315
台風18号の通過以後、東京では秋晴れの日が続いている。秋はこうでなくちゃダメだ。“爽やかな秋晴れ”は、私にとってひとつの理想であり、政治の目的もある。このことについては、永田町徒然草No.950「“政治”論とは・・・!?」を参照されたい。難しいことは抜きにしても、秋晴れの日は爽快である。しかも三連休。読者諸氏も、有意義な休みを過ごされたことであろう。
仕事の日と休みの日のどちらが楽しいのだろうか。毎日毎日が休みの日だったら、人は多分つらくなるだろう。浪人中、私は何度もそういうことを経験した。しかし、毎日毎日が仕事の日だったら、これまた多くの人はつらく思うであろう。要するに仕事をしているからこそ、休みの日が楽しみなのであり、休みの日があるからつらい仕事にも耐えられるのであろう。
仕事は己が社会に参加している証拠であり、証明である。己の仕事が何がしかの価値があるから、人は労働の対価を受けることができるのである。数年前、テレビでヨーロッパの失業問題を報ずる番組をみていた時、ある国の大臣が「就業支援は単なる失業対策ではない。労働をすることは生きることそのものである」という趣旨の発言をしていた。確か北欧三国のどこかな国の首相か担当大臣だったような記憶がある。
従って、ヨーロッパ諸国の失業対策は念が入っているようだ。詳しいことを論じる知識は私にないが、ぜひ参考にしてもらいたいものである。ところでわが国の失業対策はどうなっているのだろうか。労働法の基本原則が崩壊したことをまず元に戻すことが先決であろう。派遣労働法の弊害はもう論じ尽くされている。派遣労働法の改正をすることが最も急務であろう。長妻厚生労働大臣はミスター年金と言われるくらいだから、年金については詳しいようだが労働問題に対する力強いメッセージは伝わってこない。
「国民の生活が第一」と民主党は掲げてきた。政権を獲得したらどうもその原点が疎かになっているようである。そもそも“国家戦略局”や“行政刷新会議”が中心になっている。一端(いっぱし)の為政者気取りだ。国民の生活に国家戦略も行政刷新も直接は関係ない。そんなことは国家・政治の問題である。国民が求めているのは“日々の生活”なのである。その意味で道路特定財源の暫定税率の廃止を来年に先送りしたことは残念である。返済猶予法案も大事だが、暫定税率問題の方がはるかに優先順位がある。関係者もはるかに多い。鳩山内閣は、政治的について素人が多いと思う。政治の要諦が分かっていないのである。
それでは、また。