公示日の感慨
09年08月19日
No.1262
昨日の公示日に私が関心をもっていたことのひとつが、幸福実現党の動向であった。一時は今回の総選挙から撤退というニュースも流れたが、結局288の小選挙区に立候補者を立てた。比例区にも立候補者を擁立した。幸福実現党のポスターなどがやけに目立つことだけは確かである。この党が何を狙っているのか、どうも分からない。ほとんどのマスコミや政治評論家は無視しているが、注意する必要がある。
もちろん私がいちばん心配していたことは“無事に公示日を迎える”ことだった。天変地異や国内外の事件・事故を含めて、とにかく無事に公示日を迎えることであった。自公“合体”政権側の一部には良からぬことを企てていた者がいた筈だが、それは不発に終わったようである…。選挙戦が始まれば、簡単におかしなことは仕掛けられない。強いて挙げれば、経済成長率が年率にして3%強上がったと宣伝するくらいだった。
このことを捉えて、さっそく麻生首相は公示の第一声で「経済成長戦略をもたない野党に政権を委ねることはできない」などと言っていた。数十兆円ものお金をばら撒けば、瞬間的にGDPが上向きになるのは当たり前だ。そのことをもって自公“合体”政権に経済を成長させる知恵や実力があることにはならない。経済が得意の評論家やコメンテーターは多い筈だが、経済理論で自公“合体”政権の出鱈目さを批判する者は少ない。
昨日の報道を見ていてほとんどのマスコミと野党が自公政権といっていた。いささかの感慨があった。打倒すべき敵を“自公政権”と言わせるのは、けっこう大変だったのである。自民党政権打倒と野党はいうが、なかなか自公政権とは言ってくれなかったのである。「自民党政治などとうの昔に終わっている。私たちが対峙しなければならないのは、自公政権なのだ」と『週刊金曜日』系の読み物に書いたのは、2008年頭であった。そのくらい自公“合体”政権に対する認識は甘かったのである。
これだけ皆んなで“自公政権”といえば、公明党の言うことが実に空々しい。麻生首相のトンチンカンな演説と相まって自公“合体”政権の本性と胡散臭さが際立ってくる。「改革」なる政党の代表が“私たちは麻生内閣を支持する立場で戦う”といっていたが、マンガを見ているように感じられた。冒頭の幸福実現党がこれから11日間の選挙戦でどのような主張をするか見モノである。北朝鮮の核問題がスローガンのひとつだが、自公“合体”政権がウリにしている安保防衛問題とリンクさせようとしているのではないのか。とにかく選挙戦は無事に始まった。
それでは、また。